ねこもかぞく
著者紹介(解説):堀本裕樹 著者紹介(マンガ):ねこまき

今日の俳句

第19回

にぎやかに死の話して敬老日

(にぎやかにしのはなししてけいろうび)

湯澤由紀夫

9月の第3月曜日である祝日「敬老の日」は、
高齢者を敬い、感謝を捧げる日といっていい。
そんな日に「死の話」をするなんてと思うかもしれないけれど、
そこを捉えて詠(よ)むことが俳句のユーモアともいえる。

おそらくにぎやかに話しているのは
お年寄り同士ではないだろうか。
この句に主語はないけれど、
お茶でも飲みながらお年寄り同士が集まって、
死ぬことについて、
オープンにいろいろと話している風景が浮かんでくる。

ぼくもお年寄りに俳句を教えているが、
みんなとても元気だし、
最近よく聞くのが、「ピンピンコロリ」という言葉である。
病気に苦しまずに長生きしてコロリと死ぬことが理想的
という意味合いから「ピンピンコロリ」。
長寿県である長野には、
「ピンピンコロリ地蔵」や「ぴんころ地蔵」まであるそうだ。

この句のように、にぎやかに死の話ができる仲間がいることも
長寿の秘訣かも。