本書の内容
不安や依存は「支配される」の第一歩!
振り込め詐欺などで騙されるとき、人は思考停止になり、心が支配されている。心を操るテクニックがマインド・コントロールだ。人の心は弱く、簡単にひっくり返る。「自分は大丈夫」と思っていても、不意打ちをされたり集団の中に入れられれば、誰でも正常な判断ができなくなる。いまは詐欺や悪質商法だけでなく、企業、家庭、学校、SNSでも操りと支配が横行している。カリスマに頼りたい心が支配を招く。その最たるものがオウム真理教事件や尼崎連続変死事件などのカルトである。オウム事件などの心理鑑定人もつとめた心理学者が、心を支配するテクニックと対処法を明かす!「信じる・信じない」のしくみ、ミルグラムの服従実験、洗脳プログラムなど、興味深い事例も盛り込み、誰もが操られ支配される危険に満ちた現代に警鐘を鳴らす!
目 次
プロローグ・あなたは支配されやすいか!?
第1章・人はラクをしたい生き物
第2章・なぜ騙されるのか
第3章・支配されやすくなってきているのか
第4章・人を支配するテクニックの恐怖
第5章・「人間支配」の事件はなぜ起きたか
エピローグ・自分を見失わないために
著者プロフィール
西田公昭
(にしだ・きみあき)
1960年、徳島県に生まれる。立正大学心理学部教授。博士(社会学)。国際連合安全保障理事会テロ対策研究パートナー。日本脱カルト協会代表理事。1984年、関西大学社会学部を卒業し、同大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。スタンフォード大学客員研究員などを経て現職。カルト宗教のマインド・コントロールの研究や、詐欺・悪質商法の心理学研究の第一人者として、新聞やテレビなどでも活躍。オウム真理教事件や統一教会、尼崎連続変死事件など多数の裁判で、鑑定人および法廷証人として召喚される。著書には『マインド・コントロールとは何か』(紀伊國屋書店)、『「信じるこころ」の科学』(サイエンス社)、『だましの手口』(PHP新書)、『マンガでわかる! 高齢者詐欺対策マニュアル』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。
担当より一言
「信じる」と「騙される」は紙一重。詐欺やカルト、DV、ネットなど、心を操られ支配されてしまう危険性は日常のいたるところにある。「他人に依存しない」を忘れずに!