本書の内容
会津の長州への恨みは150年では消えない!
- 2018年は長州にとっては明治維新150年であるが、会津にとっては戊辰戦争150年でもある。明治維新完成の契機となった戊辰戦争において、幕府・会津軍は薩長軍に敗れたが、薩長軍、特に長州軍が会津の地で婦女暴行・金品強奪など非道のかぎりを尽したことはあまり知られていない。そして、会津の長州に対する恨みは150年経つ今でも消えていない。過去を水に流したい長州、過去を消さない会津。会津人の証言を基に、同地で何が行われたかを明らかにしていくとともに、日中・日韓の問題にも重なる、「歴史認識」というものの難しさと本質に迫る一書。
目 次
1 | 会津に残る薩長の略奪暴行の記録 |
2 | 会津人・宮崎十三八の魂の叫び |
3 | 会津は怖い |
4 | 吉田松陰と高杉晋作の実像 |
5 | 京都守護職という罰ゲーム |
6 | 長州人は会津で何をしたか |
7 | 戊辰戦争の真実 |
8 | 会津人の長州批判 |
9 | 明治維新余話 |
著者プロフィール
星亮一
(ほし・りょういち)
1935年、宮城県仙台市に生まれる。一関第一高校、東北大学文学部卒業後、福島民報社記者となる。福島中央テレビ役員待遇報道制作局長を経て作家に転じ、日本大学大学院総合社会情報研究科博士課程前期修了。
著書には『伊達政宗』(さくら舎)、『偽りの明治維新』(だいわ文庫)、『新選組と会津藩』(平凡社新書)、『明治を支えた「賊軍」の男たち』(講談社+α新書)、『大河ドラマと日本人』『脱フクシマ論』(以上、イースト・プレス)、『長州の刺客』(批評社)などがある。
『奥羽越列藩同盟』(中公新書)で福島民報出版文化賞、『後藤新平伝』(平凡社)で日本交通医学会表彰、会津藩の研究でNHK東北ふるさと賞受賞、『国境の島・ 対馬のいま』で日本国際情報学会功労賞受賞
担当より一言
会津人の長州に対する怒りは強烈で、共感もまたできます。視点をさらに上げると、誰にでも加害者・被害者になる可能性はあり、「会津と長州の構図」は決して他人事ではないと身につまされます。「犯し」はとかく忘れやすく、「許し」はとても難しい。