本書の内容
ブラックホールが宇宙の謎を解くカギ!
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私たちの天の川銀河の中心にある巨大ブラックホール。2014年春、そこに接近した巨大なガス雲の一部が吸い込まれ、爆発的に輝く現象が起こると予想されている。観測が実現すれば、ブラックホールの謎が実際に解明される第一歩となる。
ブラックホールといえば「吸い込まれたら二度と出てこられない暗黒の領域」というイメージだが、近年では予想をくつがえす意外な姿が明らかになっている。さらに、ブラックホールは最先端の理論「超弦理論」にも関連し、宇宙誕生の謎を解くカギともなる重要な存在だともわかってきた。
おもしろイラスト満載で楽しめるブラックホールの不思議な世界!*付記:2019年4月、M87銀河にある超巨大ブラックホールの黒い影をイベント・ホライズン・テレスコープが初めて撮影。ついにブラックホールの存在が実証された! その画像の新帯で好評発売中!
目 次
プロローグ ブラックホールの質問箱
第1章 ブラックホールの存在証明
不思議な吸い込まれ方 権威につぶされた発見 アインシュタインの間違い その中心にはブラックホールがある! |
第2章 ご近所のブラックホールを訪ねる
初めて見つかったブラックホール「はくちょう座X-1」 銀河系中心に潜む大質量ブラックホール アンドロメダ銀河中心の超大質量ブラックホール M87の超巨大ブラックホールをのぞく |
第3章 ブラックホールの上手な見つけ方
重たい星の最後にブラックホールができる ブラックホール出現を告げる「ガンマ線バースト」 ベテルギウスからガンマ線が襲来!? ブラックホール誕生の瞬間を「重力波」でとらえる |
第4章 ブラックホール観光ツアー
シュワルツシルト・ブラックホールへ出発 ギリギリまで近づくと見える奇妙な光景 ぐるぐる回る「エルゴ領域」 ブラックホールを使ったタイムマシン |
第5章 ミクロの世界のすごいブラックホール
すごい姿①ブラックホールはエントロピーをもっている!? すごい姿③ブラックホールから光が出てくる!? ヒッグス粒子の蒸発がブラックホール大爆発をもたらす この宇宙は幻なのか?――「ホログラフィック理論」 |
エピローグ ブラックホール誕生の瞬間
著者プロフィール
二間瀬敏史
(ふたませ・としふみ)
1953年、北海道札幌市に生まれる。京都大学理学部を卒業後、ウェールズ大学カーディフ校応用数学・天文学部博士課程を修了。東北大学大学院理学研究科天文学専攻、教授。一般相対性理論、宇宙論が専門。
著書には『やさしくわかる相対性理論』『図解雑学 宇宙137億年の謎』(以上、ナツメ社)、『ここまでわかった宇宙の謎』(講談社+α文庫)、『宇宙の果てを探る』(洋泉社カラー新書)、『宇宙には何があるのか』(静山社文庫)、『どうして時間は「流れる」のか』(PHP新書)、『日本人と宇宙』(朝日新書)などがある。
担当より一言
銀河系中心にいる巨大ブラックホールから、素粒子レベルのミクロのブラックホールまで、
“ブラックホール一家”総出演で楽しめる本。宇宙の不思議を実感できます!