本書の内容
在宅医療で悪魔のスパイラルから脱出を!
- 人には誰でも、平均寿命(男性80.2歳、女性86.6歳)と健康寿命(平均72.7歳)の間に、なんらかの支援や援助がなければ生活できない虚弱化した期間があります。そのとき、どうするか、元気なうちに考えておかないととんでもないことになってしまうと、20年前に大学病院の医師をやめ、在宅医療をやり続けている著者が警鐘を鳴らします。入院して病気は治ったけれど歩けなくなった、認知症がすすんだ等々の現実。仮に健康をそこなっても、残存するポテンシャルを最大限ひきだして、やすらかに人生を全うするほうが幸せ、と在宅で人生の終章を過ごす方法を説きます。どうすれば、在宅医療が可能か、その方法が明らかになります。
目 次
はじめに | ゴールは「長寿ではなく天寿を」 |
第1章 | 誰も避けられない「虚弱化した期間」の過ごし方 |
悪魔のスパイラルに巻きこまれないで生きる 人生をまるごと診る医療がある …… |
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第2章 | 元気なうちに自分の終章に備える |
看取ることが自分が看取られる準備 終末期を幸せに生きるための制度がある …… |
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第3章 | 在宅医療には不思議な力がある |
病院か在宅かをどこで判断するか 最後まで食べることを楽しめるように …… |
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第4章 | 医療・介護制度を知ることから |
治せない病気をささえる取り組み 超高齢社会の医療 …… |
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第5章 | 天寿をささえる人々が動きだす |
水、メシ、クソ、運動の4大ケアと胃ろうはずしをする 人生の最期に際して |
著者プロフィール
太田秀樹
(おおた・ひでき)
1953年、奈良市に生まれる。医学博士。全国在宅療養支援診療所連絡会事務局長。日本大学医学部を卒業後、自治医科大学大学院を修了。自治医科大学整形外科医局長・専任講師を経て、1992年、在宅医療を旗印に、栃木県小山市におやま城北クリニックを開業。さらに、在宅療養支援診療所4ヵ所、訪問看護ステーション、老人保健施設等を運営する医療法人アスムス理事長として在宅医療を推進している。日本を代表する記録映画監督・羽田澄子の長編ドキュメンタリー「終りよければすべてよし」に著者の在宅医療の一日が紹介されている。
著書には『治す医療から、支える医療へ』(共著・木星舎)、『ホームヘルパーのための高齢者医療の基礎知識』(日本医療企画)などがある。
担当より一言
かかりつけ医がいますか? 人生終盤に誰にも訪れる虚弱化した期間が思いのほか長いことに驚愕しています。そこまで、人生デザインに入れないといけないと思うと同時に、ホームドクターを探さないと!! かかりつけ医の見つけ方も書いてあります。