本書の内容
元ソニー幹部社員が全て実名で書き下ろした衝撃の記!
- これといった実績のない「エリート」が社長になったとき、企業はどうなるのか。
これは、決して他人事ではない!
ソニーのこの悲劇は、まさに「失敗の研究」である。
――井深と盛田の時代が「ソニーの成長期」です。彼らは常に現場に顔を出していました。そうして彼ら自身が、仕事ができそうな人を見つけていました。
大賀の時代が「ソニーの停滞期」です。彼は仕事ができる人を徐々に排除していきました。しかし、彼の周りには、井深や盛田が選んだ仕事のできる人がたくさん働いていたのです。
出井とストリンガーの時代が「ソニーの衰退期」です。彼らはほとんど現場に顔を出しませんでした。彼らの周りには、彼らが選んだ仕事のできない人ばかり集まるようになったのです。(本文より引用)
目 次
第1章 | 新社長誕生の光と影 |
第2章 | 知られざる闇と真相 |
第3章 | 経営政権移譲の真実 |
第4章 | 裸の王様と無能無策 |
第5章 | 封建と放任の経営者 |
第6章 | 愚策の山を築く人々 |
第7章 | 迷走する技術と人事 |
第8章 | 残された希望への道 |
著者プロフィール
原田節雄
(はらだ・せつお)
1947年に生まれる。1970年にソニーに勤務し、欧州の事業所に駐在(社員番号A97336)。帰国後、人事本部、商品戦略本部、法務・渉外部門、コーポレイト・テクノロジー部門などに勤務。技術渉外室統括室長などの職務を経て、2010年12月にソニーを退職(社員番号861051)。
会社の枠を越えて国際標準化で活躍し、フェリカ(ソニーのエディ、JR東日本のスイカ)、QRコード(デンソー)、超高圧送電(東電)などの国際標準化に貢献。2008年には、それらの功績により内閣総理大臣表彰を受ける。
著書には『世界市場を制覇する国際標準化戦略』(東京電機大学出版局、大川出版賞受賞)、『国際ビジネス勝利の方程式』(朝日新書)などがある。現在は財団法人日本規格協会技術顧問。
担当より一言
盛田昭夫社長の時代からソニーに勤務していた著者が、輝ける企業が、何故こうまで墜落していったかを、いまなおソニーを愛する熱い想いで書き下ろしています。内部からの情報で書かれた内容は驚くべきものです。
日本の大企業を立ち上げた創業者、敗戦の困難から再建した中興の祖、彼らが成功をもたらした大企業が、いま危機的状況になっているケースは多い。ソニーの失敗は、これといった実績もなく「エリート」といわれ、社長になった後継者たちが、会社をダメにしていく典型的ケースといえるかもしれません。