本書の内容
日本をダメにする危険な「愛国」ブーム!
- デービッド・アトキンソン氏推薦!(ベストセラー『新・観光立国論』著者)
「日本を礼賛しても日本経済は良くなりません」
近年の「愛国本・日本礼賛番組」ブームとはいったい何か。「日本人は他とは違う特別な存在」とくり返し刷り込みされた結果、「四季は日本にしかない特別なもの」などの歪んだ見方が蔓延している。本書は日本礼賛番組に代表される「愛国報道」がどうやってできたのか、何が問題なのかを検証するとともに、その本質に迫っていく。愛国報道は戦前から何度かブームをくり返しているが、その根底にあるのは「日本民族至上主義」、いわゆる「優生学」である。戦前の思想が平成日本にもいまなお影を落とし、「日本のすばらしさを訴える」「日本人の美徳を世に広める」という愛国報道の美辞麗句の根っこには「われわれ日本人は優れた民族」という驕りが潜んでいる。そもそも日本は、いまもなおドラッカーが指摘するようなファシズム的なにおいのする社会である。全体主義的社会のなかで「愛国」が生まれるカラクリを解き明かし、危険なブームに踊らされないための警告の書!
目 次
序 章 | 心地よくて危険な「日本礼賛番組」 |
第1章 | 「日本礼賛番組」の自画自賛が日本を狂わせる |
第2章 | 牽強付会な「愛国報道」が日本をダメにする |
第3章 | いまでもオリンピックが「国威発揚」の国・日本 |
第4章 | 「愛国」ブームをつくったマスコミの総力戦 |
第5章 | 「愛国」と「反日」は表裏一体 |
第6章 | 戦前から「愛国報道」が抱える闇 |
著者プロフィール
窪田順生
(くぼた・まさき)
1974年、東京都に生まれる。ノンフィクションライター。学習院大学文学部史学科卒業。在学中より報道番組のスタッフとして制作に携わる。「世界ふしぎ発見!」(TBS系)やドキュメンタリー番組のアシスタントディレクターとして活動後、「フライデー」記者、朝日新聞記者、「実話ナックルズ」などの副編集長を経て、現在は週刊誌や月刊誌などに取材記事を寄稿するかたわら、豊富なメディア経験をいかして企業や公共機関の報道対策アドバイザーもつとめる。IT mediaビジネスオンラインにて「スピン経済の歩き方」、ダイヤモンド・オンラインにて「情報戦の裏側」を連載中。著書には『スピンドクター――〝モミ消しのプロ〟が駆使する「情報操作」の技術』(講談社+α文庫)、『14階段――検証 新潟少女9年2ヵ月監禁事件』(小学館、第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞)などがある。
担当より一言
日本礼賛系のテレビ番組を見ると、なんとなく日本人であることが誇らしく感じられる。それは、文化の「違い」が「優劣」にすり替わっているのを無意識に感じ取っているからなのだろう。自虐もいかんが自画自賛もよくない。