本書の内容
稀代の起業家吉本晴彦! どケチビジネスの明と暗!
タクシー代は絶対に払わない。ラウンジでは女の子に水しか飲ませない…。大阪から日本全国に名を馳せた「どケチの神様」吉本晴彦の事業の全貌を追う。1923年生まれの吉本晴彦は幼年時代、祖父からどケチ道の教えを受けた。やがて晴彦少年は戦争に巻き込まれ、戦地から帰ると祖父から譲り受けた梅田の広大な土地は闇市場と化していた。晴彦は立ち上がり、ブルドーザーでバラック街をたたきつぶす。大阪の三ケチと呼ばれるどケチ3トリオの結成、どケチ流の会社経営、一世を風靡したどケチ本の出版、そして大日本どケチ教の立ち上げ…。吉本晴彦の名は全国に轟くが、やがてバブルが日本を飲み込む。吉本晴彦は梅田に30階建ての大阪丸ビルを立ち上げるが、斬新すぎる設計がアダとなり、バブル崩壊とともに、吉本商法も破綻する。どケチビジネスはなぜ、バブルに敗北してしまったのか?
目 次
第1章・どケチ人生の幕開け
第2章・どケチの原点「焼け跡ヤミ市」
第3章・「大阪の三ケチ」登場
第4章・大日本どケチ教の真髄
第5章・どケチ流社会への恩返し
第6章・どケチ、バブルに散る
著者プロフィール
坂 夏樹
1961年、大阪府に生まれる。全国紙の元記者。大阪本社の運動部長、論説委員を歴任。大阪では、行政や選挙をメインに取材、京都では、警察、司法、行政などを主に担当した。一方で、バブル経済期の闇社会の実態に迫る特命取材にたずさわったほか、平和問題や戦争体験、人権問題を取材テーマにした。
著書には『千二百年の古都 闇の金脈人脈』『命の救援電車』『一九一五年夏 第一回全国高校野球大会』『危機の新聞 瀬戸際の記者』(以上、さくら舎)がある。
担当より一言
どケチの生き方にはお金を大事にする心得がつまっています。
そしてバブルの今こそ、バブルに散った晴彦の姿から学ぶべきことがあります。