本書の内容
見たことないヤバかわいい生き物たち、身近な森で大発見!
森林や公園などの土や落ち葉の上、きのこや苔などに目を凝らしてみよう。そこでは体長2ミリ程度の小さな生き物たちがわちゃわちゃと暮らしている。土の中で生活するトビムシ、ダニ、ミミズ、ヤスデなどを土壌動物といい、おとなの片足の面積には数千固体以上が生息しているといわれる。ダニといっても人間に有害なものはほとんどいない。
本書は粘菌、菌類、苔など5つの環境で暮らすさまざまな土壌動物の姿と暮らしぶりを紹介する写真集。跳躍器を使って高速ジャンプするトビムシ、天使のように愛らしいオドリコトビムシ、とんがった口のテングダニ、カレーパンのような姿のゴミツケタカラダニ、真っ赤なハサミをもつカニムシ、黒鼻顔のフサヤスデ、糸を吐くキノコバエの幼虫、極小サイズのカタツムリ、火星人みたいな手足のザトウムシなど、奇妙でユーモラス、カラフルな動物たちが美しい写真で登場する。粘菌の中をゆく姿は異世界ファンタジーのようで魅惑的だ。彼らもまた小さいながら大自然の一部であり、生態系の物質循環の一翼を担っている。足もとの小さな世界で多種多様な生き物が共存している姿は、見る者をほっこり、幸せな気分にしてくれる。本文オールカラー。写真334点入り。
目 次
第1章 粘菌に暮らす
第2章 いのちめぐる菌世界
第3章 苔のオアシスでひと休み
第4章 地上と地下のドラマ
第5章 土と水をつなぐ
著者プロフィール
ぺんどら
1983年に生まれ、愛知県と静岡県で育つ。山梨県在住。大学院(環境科学)において、カエルの食性についての研究で修士号取得。その中で観てきた生き物同士のつながりをテーマに大小さまざまな生き物の生態写真の撮影を始める。現在は環境調査の仕事のかたわら、YouTubeやSNSで生き物や自然の魅力を発信し、「にょろ蟲屋」という屋号で各地のイベントにて生き物のグッズ販売などの活動を行っている。書籍やTV番組などへの写真や映像の提供も多数している。
ぺんどらの名はオオムカデ属の学名scolopendraから。どんな生き物でも興味を持ってもらえるように、その魅力が伝わる写真を撮りたいという想いがある。
担当より一言
美しい写真と不思議な生き物たちが次々と登場し、「足もとにこんな生き物たちが暮らしているのか!」と愉快な気分になってきます。超拡大画像なので、できれば定規片手に読んでみてください。「こんなに精巧な体の生き物が2ミリ/1ミリ/0.5ミリとは!?」と、自然の造形美にさらに感動が深まります!