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文芸・一般

笑うマエストロ

国立交響楽団の表と裏

尾崎晋也:著

定 価:1,500円+税

発売日:2014年10月7日

頁 数:224ページ

判 型:四六判/並製

ISBN:978-4-906732-90-6

本書の内容

こんなにスゴ面白い日本人指揮者がいた!

  • 僕のオーケストラは毎週木曜日に定期演奏会があるが、毎回違うプログラムなのだ。これがきつい。毎週違う交響曲を理解して、それを3日間でオーケストラに伝え、お客さんにも受けて、興行的にも成功しなければならないのである。毎回、最後の曲を振り終え、振り向くのが怖かった。「拍手してちょーだい!」と心のなかで祈った。
    毎週、さまざまな国籍の音楽家と共演する。言葉が通じない場合も多々あるし、また、トラブルもある。演奏会当日、オーケストラのマネジャーに、「オザキさん、ごめん、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲の5番に変わったよ。あなたの楽譜は今日ソリストが持ってくるから心配いらないよ」とニコニコしながら言われた。ソリストも違う人に変わっていた。
    あの~、いくらなんでもこれ、変更多すぎでしょ?
    ――ルーマニアを舞台に繰り広げられる「マエストロ・オザキ」の孤軍奮闘エッセイ。初心者でもクラシックの世界が楽しめる。
    笑えて、奥深く、そして面白い!!

目 次

第1章 いきなりマエストロ暮らし
  指揮は何語でしますか?
ドラキュラの呪い
オーケストラを操る裏方
第九はつらいよ
 
第2章 マエストロは一人旅
  恐怖の譜面
バカにされちゃいかん!
お気に入りの商売道具
なぜ、それを言う!?
指揮棒一本、さらしに巻いて
 
第3章 マエストロの想い
  なんか変!
ITについていけない人たち
騎士の誕生
ハンガリー人の魂の音楽
ある指揮者の過去
 
第4章 マエストロは休めない
  フラフラになる三大Bコンサート
いい席はどこ?
フェラーリ級の男がやってきた!
ステージを降りたヴァイオリン弾き
エンドレス「ブン・チャッチャ」
 
第5章 マエストロの楽屋裏
  ベートーヴェンはなぜボサボサ頭?
パクリを恐れたパガニーニ
「運命」との格闘
マーラーから演奏者への指示
モーツァルトはエライのだ!
 
第6章 マエストロの美味美観
  決死の突撃訪問レッスン
あの日の「イマジン」
世界でいちばん美しいところ
「薩摩人です」
三分間のドラマ
 

著者プロフィール

尾崎晋也

(おざき・しんや)
1959年、鹿児島県谷山市(現・鹿児島市)に生まれる。指揮者。桐朋学園大学で小澤征爾ほかに師事。卒業後、ヨーロッパ各地、アメリカで研鑽を積み、ペンシルベニア州で指揮活動をはじめる。1992年、ルーマニアでおこなわれた国際指揮コンクールに入賞し、1994年、ルーマニア国立トゥルグ・ムレシュ交響楽団常任指揮者に就任。その後、同楽団音楽監督のほか、トランシルバニア室内管弦楽団音楽監督、国立ディヌ・リパッティ交響楽団首席客演指揮者もつとめる。
以来、ルーマニアと日本を行き来し、両国で指揮活動をつづけながら、アメリカ・ヨーロッパ各地のオーケストラにも出演している。これまでの芸術文化に対する功績が認められ、2005年にルーマニアの上級騎士勲爵士(コマンドール)を、2014年には日本の外務大臣表彰を受けた。2014年で常任指揮者就任20周年になる。

担当より一言

「マエストロ・オザキ」、ルーマニアで大人気の名指揮者で、勲章までもらっているスゴイ方です。教養とユーモアあふれるエッセイも絶品! マエストロ、面白すぎます~!!