本書の内容
日本はバブル期以来の繁栄を取り戻せるのか!
2029年の日本の首相官邸に、アメリカ大統領補佐官が緊急に首相の岸田総一郎を訪ねて来た。日本がこのまま経済的に衰退していれば、日米同盟が危ういという。また、日本の衰退はバブル崩壊や少子高齢化だけでなく、1990年代に始まったデジタル革命のときに、日本語をデジタルに合わせる改革をしなかったことが原因だと告げる。英語やハングル語と比較すると、日本語は文字変換に手間がかかる上に、単語と単語の間にスペースを入れないため、品詞を特定する「形態素解析」にコンピュータは膨大な作業が必要となるため、デジタルとの相性が非常に悪い。そしてそれが経済活動に長年影響してきた。すぐにでも日本語改革を実行しなければ、日本は今後も衰退したままだ。脅しめいた言葉に岸田は抵抗を試みるが、やがてそれは現実であると諭される。麻生元首相らしき人物の積極的な後押しもあり、日本語改革をすべく「桜プロジェクト」が始動する……。
リアリティを帯びた内容と、登場人物のわずかな心の動きも読み取れる会話で、臨場感溢れるノンフィクション・ノベルである。
目 次
序/侵入/特使/言語効率/ピンイン/デジタルの波/言語ロボット/モーツァルト/北前船/防衛省/桜プロジェクト/自然言語処理/スペーシング/全体主義/ハングル/シカゴ・マニュアル/サジェスト機能/オンライン会議/デジタル後進国/1995年/エビデンス/返り点とルビ/リップ・コンピューティング/互酬/村上春樹/人を騙すな/閣僚懇談会/べらんめい/記者会見/ロケットスタート/逆風/薄化粧/襲撃/清里/回復/悠久の山々
著者プロフィール
河口鴻三
1947年、山梨県に生まれる。1971年に一橋大学卒業後、講談社に入社。講談社現代新書、月刊現代などの編集に従事。この間、企業派遣でスタンフォード大学コミュニケーション学部修士課程に留学、修了。1989年から2000年まで、ニューヨークの講談社アメリカで英文出版に従事。いくつかのニューヨーク・タイムズ・ベストセラーを出版。累計500万部のHaving Our Sayやプラハの春の指導者A.ドプチェク回想録オリジナル版など。2000年に同社副社長を辞して帰国後は、米系コンサルティング会社のプリンシパルとして、経営コンサルティング、執筆・講演活動に従事。
著書に『和製英語が役に立つ』(文春新書)、『外資で働くためのキャリアアップ英語術』(日本経済新聞社)などがある。



担当より一言