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心理・教育・科学

強迫症とうまくつきあう

何を感じ、どうやって乗り越えていくか

原井宏明:著
松浦文香:著

定 価:2200円

発売日:2025年10月6日

頁 数:284ページ

判 型:四六判/並製

ISBN:978-4-86581-478-1

本書の内容

「何でもやりすぎてしまう」人は必見!

完璧主義、不潔恐怖、確認強迫、計画強迫、治療強迫、ためこみ、皮膚むしり、抜毛……強迫は思わぬ形でやってくる。30代強迫女子が幼児~大人になる過程で生じるさまざまな症状エピソードに精神科医がポイント解説。幼児の強迫と発達障害との見分け方、儀式(強迫行為)のループから抜け出すコツ、学び方・働き方アドバイス、自分をコントロールする行動療法など、強迫症と上手につきあうノウハウが満載。ジャガイモの皮むきへのこだわりなど、日常に潜む「これも強迫⁉」という無意識の症状に気づくのが治療の第一歩。「何でもやりすぎてしまう人」は必見です!

*強迫症(強迫性障害)とは……不安や恐怖を引き起こす「強迫観念」と、それを打ち消すための「強迫行為(儀式)」が特徴。「手が汚れているかもしれない」という考えが頭から離れず、何度も手を洗ってしまうなど、特定の行動をくり返す。目に見える行為だけでなく、脳内での確認や数字を数える、特定の言葉を唱える、イメージを想起するなど頭の中でおこなわれる行為も含む。幼児から高齢者まで、幅広い年代の方が発症する身近な病気。

目 次

プロローグ・何でもやりすぎてしまう人へ

第1章・幼児の強迫症
――強迫症は発達の遅れではなく、能力の過剰な発達で問題が生じる

第2章・小学生の強迫症
――強迫症の子どもは学校へ行くことが治療になる

第3章・思春期の強迫症
――強迫症は環境の影響を受ける病気、家族もその環境の一部

第4章・行動療法でどう変わるか
――行動療法で、自分で自分をコントロールできるようになる

第5章・強迫があっても人生を楽しめる
――健康かつ安全で計画的な生活より、今ここでの楽しみを味わう

エピローグ・強迫症の治療で役に立つこと

著者プロフィール

原井宏明

(はらい・ひろあき)
1984年岐阜大学医学部卒業。原井クリニック院長。精神科専門医・指導医、精神保健指定医。日本認知・行動療法学会認定専門行動療法士。株式会社原井コンサルティング&トレーニング代表取締役。日本動機づけ面接学会名誉理事。
著書には『図解いちばんわかりやすい強迫性障害』(河出書房新社)、共著には『図解やさしくわかる強迫症』(ナツメ社)、『図解いちばんわかりやすい醜形恐怖症』(河出書房新社)、『強迫症/強迫性障害(OCD)』(講談社健康ライブラリーイラスト版)、『動機づけ面接を始める・続ける・広げる』(金剛出版)、『「不安症」でもだいじょうぶ』(さくら舎)、訳書には『死すべき定め』(みすず書房)などがある。

松浦文香

(まつうら・あやか)
精神保健福祉士。強迫症のために精神科を受診し、不登校も経験しながら大学を卒業する。2016年に3日間集団集中治療を受け、強迫症からの回復を遂げる。原井クリニックに勤務のかたわら、自助グループ「京橋強迫の会」世話人として強迫症に対する啓発活動をおこなっている。日本認知・行動療法学会認定行動療法士、MINT認定動機づけ面接トレーナー。
原井宏明との共著には『図解いちばんわかりやすい醜形恐怖症』(河出書房新社)、『強迫症/強迫性障害(OCD)』(講談社健康ライブラリーイラスト版)、『「不安症」でもだいじょうぶ』(さくら舎)がある。

担当より一言

母親に「自分がスッキリするまでひたすらしゃべり続ける」強迫女子のAさん。「とりあえず」が苦手、計画どおりにしたい欲が強い、こだわりすぎて仕事をためこみがち、相手の行動の意図を読む、人に頼らず自力でやりたがる……など、「これって自分!?」な“強迫あるある”話がてんこもり。真面目で完璧主義を外せない性格の方は、ぜひご一読を。そして今日から、仕事はあえてキリの悪いところで終えて帰りましょう!