本書の内容
不安とうまくやっていける自分になれる!
いま、不安を感じる人が増えています。「こうなったらどうしよう」「ああなったらどうしよう」と連想ゲームのように次々と不安が生じ、日常生活に支障が出るほどになるのが「不安症(不安障害)」です。10人に1人がなると言われ、アレルギー体質と同じように、不安になりやすい体質(不安感受性)もあります。不安症を放置していると、安全圏にいようとして活動範囲も狭まるため、うつ病になることも珍しくありません。しかし、行動を変えることで、不安は手なずけることができます。たとえば原因を探して不安をなくそうとするのは、むしろ不安を増やす行動。それを別の行動に置き換えることが大切なのです。本書はパニック症、社交不安症(対人恐怖)、病気不安症、ためこみ症、強迫症など様々な不安の病気やそのメカニズムの解説とともに、自分でできる対処法、そして不安症の家族に巻き込まれないための付き合い方を伝授。不安にとらわれず、人生を楽しめるようになれます!
目 次
第1章 なぜ不安が止まらないのか
第2章 不安に関連する心の病気
第3章 不安になるメカニズム
第4章 不安をめぐる勘違い
第5章 自分でできる不安への対処法
第6章 不安になりやすい人との上手な付き合い方
著者プロフィール
原井宏明
(はらい・ひろあき)
1984年岐阜大学医学部卒業。原井クリニック院長。精神科専門医・指導医、精神保健指定医。日本認知・行動療法学会認定専門行動療法士。株式会社原井コンサルティング&トレーニング代表取締役。日本動機づけ面接学会名誉理事。著書には『「不安症」に気づいて治すノート』(すばる舎)、『図解いちばんわかりやすい強迫性障害』(河出書房新社)、共著には『図解やさしくわかる強迫症』(ナツメ社)、『図解いちばんわかりやすい醜形恐怖症』(河出書房新社)、『強迫症/強迫性障害(OCD)』(講談社健康ライブラリーイラスト版)、訳書には『死すべき定め』(みすず書房)などがある。
松浦文香
(まつうら・あやか)
10歳頃から強迫症のために精神科を受診し、不登校も経験しながら大学を卒業する。2016年に原井の3日間集団集中治療を受け、強迫症からの回復を遂げる。2019年から原井クリニックに勤務。自助グループ「京橋強迫の会」世話人として、当事者・家族のために強迫症に対する啓発活動をおこなっている。所属学会は日本認知・行動療法学会、日本動機づけ面接学会など。原井宏明との共著には『図解いちばんわかりやすい醜形恐怖症』(河出書房新社)、『強迫症/強迫性障害(OCD)』(講談社健康ライブラリーイラスト版)がある。
担当より一言
「不安をなくそうとすればするほど、不安が強くなっていく」というパラドックスな仕組みに驚きました。病気の不安を言い続ける高齢の親への対応も、じつは「相手の不安に巻き込まれているだけ」ということがわかり、目からウロコ。不安をめぐるいろいろな気づきが詰まった本です。