本書の内容
サステナブルな細胞農業の時代がもうすぐやってくる!
食料安全保障(とくにタンパク質)に対する切り札といわれる「培養肉」は、いま世界各国で開発が進んでいます。日本でも2023年2月に若き著者が代表を務めるスタートアップ企業・インテグリカルチャーが「世界初の食べられる培養フォアグラ」を独自技術で開発し、ニュースになりました。この培養肉をつくる技術が「細胞農業」。細胞を培養して食品をつくる新しい生産方法で、お肉だけでなく、魚、野菜、果物、コーヒー、木材など様々なものがつくれるのです。高効率・サステナブルな生産で、SFの定番ネタだった培養肉の社会実装は目前です(2025年大阪・関西万博で培養肉の試食という話題も)。日本の培養肉開発・細胞農業研究のトップランナーが培養肉のつくり方から、細胞農業がもたらすワクワクする未来まで、楽しく面白くわかりやすく解説しました!
目 次
第1章 細胞農業の時代がやってくる
第2章 ざっくりわかる細胞と培養の基礎知識
第3章 楽しいシチズンサイエンス
第4章 夏休みの自由研究に!DIY培養肉
第5章 細胞農業を広めたい
第6章 細胞農業の未来に向かって、いろいろやろう!
著者プロフィール
羽生雄毅
(はにゅう・ゆうき)
1985年、神奈川県に生まれる。2006年英オックスフォード大学化学科卒業。2010年、同大学博士課程修了。博士(化学)。東北大学多元物質科学研究所、東芝研究開発センター システム技術ラボラトリーを経て、2014年、細胞農業の有志団体「Shojinmeat Project」を立ち上げる。2015年、インテグリカルチャー(株)を設立。インテグリカルチャーでは細胞農業の大規模化と産業化、Shojinmeat Projectでは大衆化と多様化に取り組んでいる。
担当より一言
「培養肉」はすごいハイテクでつくられるイメージがありますが、じつは体内で起きている現象を体外で再現したもの。著者と仲間たちがSFの実現を目指してあれこれ試行錯誤しながら進んでいくエピソードがとても楽しく、元気がもらえます!