本書の内容
タケダOBが激白!タケダ王国凋落の真実
240年の歴史を誇る、日本最大の製薬会社「武田薬品」がピンチを迎えている。きっかけは「長谷川閑史前社長とウェバー現社長」のラインにより行われた巨額の海外M&A。2008年、ガン領域の米大手バイオ企業『ミレニアム・ファーマシューティカル』を約8900億円で、2011年にはスイスのジェネリック製薬大手『ナイコメッド』を約1兆1800億円で、さらに2019年にはアイルランドの製薬大手「シャイアー」を約6兆8000億円で買収した。いずれも割高感の否めない、お粗末なM&A。これらの買収劇により、無借金経営の超優良企業だった武田薬品は4兆円もの借金を背負うことになった。この巨額の借金を返済すべく、武田薬品は有形・無形の資産を数多く売却、優秀な研究者が大勢流出した。多大なる犠牲を出しながら武田薬品が目指したものはなんだったのか。武田薬品OBがその真相に迫る。
目 次
第一章 タケダが陥ったM&Aの虚飾
第二章 タケダ240年の歩みと終焉
第三章 外国人経営陣に乗っ取られたタケダ
第四章 展望なきグローバル経営
著者プロフィール
原雄次郎
1930年、岐阜県高山市に生まれる。タケダの将来を憂う会代表。理学博士。東北大学理学部卒業後、武田薬品工業入社。本社勤務、ニューヨーク駐在を経て武田薬品不動産初代社長を務める。武田薬品退職後、(財)総合工学振興会役員、総合工学研究会主査を歴任。故・七代目小西新兵衛は叔父(実母の弟)にあたる。著書は『大丈夫か武田薬品』(原 禮之助との共著 ソリック)がある。
担当より一言
タケダは日本を代表する製薬メーカーです。「アリナミン」などタケダが生み出した商品を、みなさんご存じでしょう。そんなタケダが今、危機に直面しています。巨額のM&Aを行うための資金を捻出すべく、多くの資産を売却しました。「アリナミン」もその1つです。日本人研究者も多数タケダを去りました。いまやタケダの従業員のほとんどは外国人で、生産拠点なども海外です。なぜこんなことになってしまったのか、タケダの内部に何が起こっているのか。著者は元タケダの幹部。タケダの変貌をを知るのにうってつけの一冊です。