本書の内容
人間、何があろうと、どこでも生きていける!
大阪西成のホームレス・かっちゃんの人生の日々をモノローグでまとめている。文は中川波佳氏。
かっちゃんは子供のときから、継続することが苦手、学習塾経営の父親から進学などで何かと便宜をうけるが、ことごとく失敗。家出して西成にたどり着き、日雇い労働と遊んでいる日々と生活保護受給を繰り返している。西成には、手配師、不動産屋、大家、シェルターが入り乱れた生きるための独自のインフラがあり、貧困の人々が生きていける。人間、どこだって生きていけるを実感してしまう本。
目 次
第1章●全部捨てる
第2章●つかいもんにならん
第3章●ほんまもん
第4章●どこにも行けん
第5章●来ます行きます
第6章●明確な理由なし
第7章●なんもない
著者プロフィール
かっちゃん
1978年、徳島県に生まれる。父親は学習塾を経営。岡山の大学に入学するも半年で退学、この頃から借金生活に入る。20歳のとき家出、22歳のとき夜行バスで大阪西成へ。四、五年、土木作業員など日雇労働を中心に転々。2017年に生活保護を受給するが、二カ月でやめる。その後。生活保護を受けたりやめたりの生活を続ける。
中川波佳
(なかがわ・なみか)
1976年、大阪に生まれる。米エンブリー・リドル航空大学から米ステッソン大学に編入し生命科学を専攻。卒業後は大阪大学大学院医学系研究科医科学の修士号を取得。その後、中国復旦大学へ語学留学。帰国後、社会的弱者・少数者の人権や動物の権利問題に関心を抱き、国際人権団体、子どものための国際援助団体(ヨルダンシリアの難民キャンプ)、釜ヶ崎等でボランティアに従事。現在はホームレス等社会的弱者の取材活動に取り組んでいる。著書には『心温まるカフェではたらくフクロウたち』(文化出版局)がある。
担当より一言
中川波佳さんが、かっちゃんから、よく聞きだした労作。ホームレスから心のうちを聞くのは大変のはず。人の人生観の無限の違いとなんもない生き方に仰天、何か考えさせられてしまうのが不思議。