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社会・政治

絶縁家族 終焉のとき

試される「家族」の絆

橘さつき:著

定 価:1760円

発売日:2021年12月9日

頁 数:248ページ

判 型:四六判/並製

ISBN:978-4-86581-323-4

本書の内容

親子ほど不可解で答えのない関係はない!

2021年5月6日、NHK「クローズアップ現代+」が、家族問題をテーマにした「親を棄ててもいいですか?~虐待と束縛を越えて~」を放送し、SNS上で大きな反響を呼んだ。これは、家族関係に悩み、絶縁状態に苦しんでいる人がいかに多いかを示すものだった。
親子愛・家族愛信仰が強固な日本では、親子の縁は容易く切れるものではない。親からの虐待、ネグレクト、過干渉や束縛に悩んできた40代、50代の人が老いた親から解放されたくても、親も社会も子が親の面倒をみるのは当然と考えている。
問題を抱えた家族とその葬送について7年にわたり取材を重ねてきた著者が、“絶縁家族”の実態と、絶縁状態のまま家族の死を迎えた人の苦悩を浮き彫りにするノンフィクション。

目 次

序 章 多くの人が“家族”に苦しんでいる
第1章 絶縁家族のおみおくり
第2章 絶縁家族の乾いた別れ
第3章 絶縁の彼方に見たもの
第4章 悩める家族を救うお助け人
第5章 「弔う」ことの意味を求めて

著者プロフィール

橘さつき

(たちばな・さつき)
1961年、東京に生まれる。
早稲田大学第二文学部演劇専修卒業。
日本葬送文化学会常任理事。
自身に起きた問題をきっかけに、問題を抱えた家族の葬送を取材。
「これからの家族の在り方と葬送」をテーマに執筆を続けている。

担当より一言

登場する8つの家族の実話はハードで、自分の家族とはまったくもって無関係な話だとお思いになる方も多いと思います。しかし、一見何の問題もないように見える家族にも、外からはうかがいしれないダークな部分はあるかと思います。実際に今、何の問題もない家族だったとしてもこれから先のことは誰にもわかりません。「家族」というユニットは、限りなく素晴らしいものにもなるけれど、どうしようなくダメなものになる可能性も秘めています。まるで、人間の存在そのもののように。他人事だと思わず、自分事として読んだとき、「家族」というものに新たな認識と発見が得られると思います。