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心理・教育・科学

DVはなおせる!

加害者・被害者は変われる

栗原加代美:著

定 価:1650円

発売日:2021年9月7日

頁 数:256ページ

判 型:四六判/並製

ISBN:978-4-86581-310-4

本書の内容

「妻のダメなところをなおしてあげる」はDV思考!

DV(ドメスティック・バイオレンス)という言葉は有名だが、その実態は「殴る・蹴る」ではなく、怒鳴ったり、プライベートを制限したり、家計費を渡さなかったり、といった身体的な暴力イメージとは程遠いものが多い。コロナ禍で急増しているDVのきっかけも「カレーに福神漬けがついていない」といった些細なことだ。加害者には「自分を怒らせる相手が悪い」という被害者意識がある。「DVとは、力で相手を支配しようとする関係性のこと」と著者は語る。その根底には「自分は常に正しく、相手が間違っている」という歪んだ考え方があり、自信のなさや依存が原因である。著者はそうした不健全な価値観や考え方に気づき思考を変えていく「DV加害者更生プログラム」を実施し、この10年間で受講者約800人の8割のDVをなおすことに成功している。
本書は見えにくいDVの実態とプログラムの内容を解説し、「なおらない」といわれるDVを「なおす」方法があることを伝える。さらに、パートナーといい関係を築く方法も具体的に解説。DVと気づいていなくとも、家庭内で会話がない、夫婦関係がよくないと悩む人にも改善のヒントが見つかる!

目 次

プロローグ――DVはやめられる
第1章 あなたの夫婦関係がよくない原因はDV?
第2章 なぜDVは生まれるのか――加害者の実態
第3章 なぜDVから逃げられないのか――被害者の状況
第4章 DVをなおすプログラムの基本
第5章 パートナーといい関係を築く方法

著者プロフィール

栗原加代美

NPO法人女性・人権支援センター ステップ理事長。日本選択理論心理学会会員。
1946年、旧満州に生まれる。1969年、共立女子大学英文科卒業。2001年、神奈川県にDV被害者保護シェルターを開設し、保護活動をはじめる。2007年、NPO法人ステップ理事長に就任。2011年から、アメリカの心理学「選択理論」を用いたDV加害者更生プログラムおこなう。1年間52回のプログラム受講により、加害者はDV思考から解放される。これまで全国約800人の受講者のうち約8割がDVを克服し、家族関係を修復している。加害者との対話を重ねながら、怒りを生み出さない実践的な方法を全国各地で講演している。

担当より一言

本書の中に「5つの基本的欲求」というチェックリストがあり、それをやってみて目からウロコでした。私は「人の役に立つことができるととてもうれしい」という力の欲求が強いタイプで、パートナーは「自分なりのやり方で課題をこなしたい」自由の欲求が強いタイプと、うすうす感じていた違いがハッキリ。自分のほうがDV思考が強いようなので、日々気をつけないと、と痛感しています。