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社会・政治

スルガ銀行 かぼちゃの馬車事件

四四〇億円の借金帳消しを勝ち取った男たち

大下英治:著

2刷

定 価:1800円+税

発売日:2021年2月4日

頁 数:328ページ

判 型:四六判/並製

ISBN:978-4-86531-284-8

本書の内容

不正融資は返済せず!前例なき奇跡の決着!

2018年に世間を騒がせた「スルガ銀行不正融資事件」は、被害者約250名が抱える不動産担保ローン合計残高約440億円をスルガ銀行(沼津市)が「帳消し」にするという、金融史上前例のない解決となった。
事件の裏にあったのは、スルガ銀行と不動産業者や仲介業者が共謀して土地代や建築費を水増しした上、不正融資でシェアハウス「かぼちゃの馬車」を購入させるという構図。そして業者が経営難に陥った結果、オーナーはひとりにつき1億円以上の債務を負わされたのだ。
自己破産する者、自殺する者もいるなか、生きる道を探そうとひとりの被害者が立ち上がった。「おれたちはすでに経済的に死んでいる。これ以上何を恐れることがある?」彼は仲間を集めて被害者同盟をつくり、凄腕弁護士・河合弘之氏に依頼、スルガ銀行を相手に闘う決意をする。
河合弁護士の発案・指示のもと、同盟のメンバーによる本店・支店前でのデモや株主総会での直談判などが行われ、次第に揺らいでくるスルガ銀行の牙城。勝てる見込みがないと言われた地銀の雄・スルガ銀行を相手に、代物弁済という借金帳消しを勝ち取った男たちのノンフィクション!

目 次

第一章:二億円の不動産融資

第二章:悪徳業者たち

第三章:凄腕弁護士 河合弘之

第四章:決死の白兵戦

第五章:「地銀のお手本」の虚構

第六章:不倒の詐欺師たち

第七章:勝利へ、借金帳消し

著者プロフィール

大下英治

(おおした・えいじ)

1944年、広島県に生まれる。広島大学文学部を卒業。「週刊文春」記者をへて、作家として政財官界から芸能、犯罪まで幅広いジャンルで旺盛な創作活動をつづけている。
著書には『十三人のユダ 三越・男たちの野望と崩壊』(新潮文庫)、『実録 田中角栄と鉄の軍団』シリーズ(全三巻、講談社+α文庫)、『昭和闇の支配者』シリーズ(全六巻、だいわ文庫)、『トップ屋魂 首輪のない猟犬』(イースト・プレス)、『安倍官邸「権力」の正体』(角川新書)、『高倉健の背中 監督・降旗康男に遺した男の立ち姿』(朝日新聞出版)、『孫正義に学ぶ知恵』(東洋出版)、『落ちこぼれでも成功できる ニトリの経営戦記』(徳間書店)、『逆襲弁護士 河合弘之』『専横のカリスマ 渡邉恒雄』『激闘!闇の帝王 安藤昇』『永田町知謀戦』(1~4)『百円の男 ダイソー矢野博丈』『日本のドン 血と弾丸の抗争』『田中角栄 最後の激闘』『日本を揺るがした三巨頭』(以上、さくら舎)などがある。

担当より一言

本当に実話なの⁉ と疑いたくなるほどの、スリル満点・手に汗握るノンフィクション。悪徳業者の「ワルモノ」っぷり、絶望の淵から立ち上がる被害者たちの熱量、スルガ銀行の「ラスボス」感。現実は小説を軽々と越えていくのだなぁと思い知らされます。読み物としてもおもしろいうえ、不動産投資の知識も得られる1冊です。