本書の内容
ADHD傾向、ASD傾向、気になる子に対処する画期的方法!
学校と家庭で、困った子の話は頭の痛い問題です。「発達障害だ」というひとくくりの言葉がひとり歩きしているのが現状で、問題の解決につながっていないのが現状です。本書は、このような現場の必要性から生まれています。発達のプロセスにいる子どもたちは、非常に多様な発達の様子を見せます。IN‐Childとは「子どもの中の子ども、そしてどんな子どもでも子どもの同士の輪の中で成長していく」という意味です。この研究プロジェクトは20年前に開始され、5年前から実践され、驚くべき成果が出たので出版ということになりました。要は、子どもを細かに判定する方法をつくり、その結果にのっとり、先生・親がその子をどう支援していくかということです。本書では、一年から二年で成功したこと子どもの実例が書かれています。
目 次
まえがき
この本の読み方
IN-Childがいる
PART1 甘えん坊な子/PART2 身だしなみが整っていない子/PART3 いつも体調が悪い子/PART4 机からはみ出しちゃう子/PART5 忘れっぽい子/PART6 よく飛び出す子/PART7 授業中に立ち歩く子/PART8 こだわりがある子/PART9 一人で遊んでいる子/PART10 繰り返しちゃう子/PART11 読み書きが苦手な子/PART12 算数がとっても苦手な子/PART13 お絵かきばかりしている子/PART14 身体が弱くて休みがちな子/PART15 授業中、眠そうにしている子/PART16 夜中にゲームばかりしている子/PART17 自分の意見が書けない子/PART18 強い光が苦手な子/PART19 大きな音が苦手な子/PART20 運動が苦手な子/PART21 やりたいことが見つからない子/PART22 お家でダラダラしている子
IN-Child HEROs
CASE1 皆の前で喋れるマン――支援のカギは得意をいかす/CASE2 自分の考えを表現できるマン――カギは考える時間の確保/CASE3 人に優しくなれるマン――カギは家庭との目標の統一/CASE4 落ち着いて授業に参加できるマン――カギは感情の整理/CASE5 話が上手にできるマン――カギは少しの想像力/CASE6 みんなのお手本になれるマン――カギはリーダーシップと責任感/CASE7 元気にテスト受けられるマン――支援のカギは医教連携/CASE8 ゆっくり大人になれるマン――カギは認められる環境作り/CASE9 勉強でやる気出せるウーマン――カギは自己コントロール/CASE10 生活習慣が身につくマン――学習に向かうカギは環境作り
IN-Child Recordの付け方
IN-Child Record記入用紙
IN-Child Record読み方
Q&A
あとがき
著者プロフィール
韓 昌完
(ハン・チャンワン)
1969年、韓国春川市に生まれる。2005年に東北大学大学院医学系研究科、2011年に同大学大学院経済学研究科のk広告後期博士課程を修了し、博士号(障害科学・経営学)を取得。韓国の又松大学医療社会福祉学科の助教授を経て、琉球大学教育学部特別支援教育専攻の教授となる。
2015年に15年間の調査研究をもとに、教育現場で「気になる子」や「発達障害」という言葉のひとり歩きでひろがる間違った認識を正すべく「IN‐Childプロジェクト」を立ち上げる。研究論文130本(うち、英語40本)を執筆、著書には『インクルーシブとQOLを考える肢体不自由教育』(Asian Society of Human Services 出版部)などがある。
担当より一言
「発達障害」という言葉がひとり歩きしている。しかし、ほとんどはあまり吟味もせず使われている。本書では教育現場から生まれた実践の書といえます。さまざまなタイプの子どもたちが、短期間の「支援」で一人の人間として成長して実例が素晴らしい。