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歴史・哲学・宗教

宗教はなぜ人を殺すのか

平和・救済・慈悲・戦争の原理

正木晃:著

定 価:1500円+税

発売日:2018年12月7日

頁 数:248ページ

判 型:四六判/並製

ISBN:978-4-86581-175-9

本書の内容

慈悲と救済をうたう宗教の知られざる実像!

平和、愛、慈悲などをうたい、人を救うのは宗教である。だが同時に、暴力やテロ、殺人を犯すのも宗教である。歴史を見れば、日本では蘇我氏と物部氏が仏教受け入れをめぐって戦い、中世の僧兵、戦国時代の一向一揆などがあった。世界ではキリスト教徒とイスラム教徒が戦った十字軍やカトリックとプロテスタントによる宗教戦争などがある。

洋の東西、時代を問わず、宗教は戦い、人を殺してきた。平和、愛、慈悲をうたう宗教が暴力と縁が切れないのはなぜか。宗教はやむなく戦い、人を殺してきたのか。それとも宗教のなかに暴力や殺人を肯定する論理や構造があるのか。宗教学者がイスラム教やキリスト教、仏教を横断して考察し、宗教の本質に迫る!

目 次

第1章 イスラム教――宗教の名のもとに戦う
第2章 ユダヤ教――暴虐に満ちた『旧約聖書』の世界
第3章 キリスト教――暴力を容認してきた愛の宗教
第4章 仏教――「空」がもたらす殺人肯定
終 章 宗教の陥穽

著者プロフィール

正木晃

(まさき・あきら)
1953年、神奈川県に生まれる。宗教学者。筑波大学大学院博士課程修了。国際日本文化研究センター客員助教授などを経て、慶應義塾大学非常勤講師。専門は宗教学、特に日本密教・チベット密教。著書には『密教』『増補 性と呪殺の密教』(以上、ちくま学芸文庫)、『現代日本語訳 空海の秘蔵宝鑰』(春秋社)、『空海と密教美術』(角川選書)、『マンダラとは何か』(NHKブックス)、『NHKこころの時代 マンダラと生きる (NHK出版)などがある。

担当より一言

本書のタイトルのような疑問を持ったことがある人は結構多いのではないでしょうか。正しさ、善行、忠誠、献身、救済などの名目でおこなわれる暴力や戦争という構図を考えてみるきっかけになると思います。