本書の内容
花街に咲いた男と女と政治の秘められた物語
本書は権勢を極めた宰相田中角栄と神楽坂のナンバーワン芸者辻和子の愛と別れを、目撃者である深井美野子が書き下ろしました。悲惨な生い立ちゆえに神楽坂の芸者置屋に50円で売られてきた和子、お金がない若き政治家田中角栄。二人は運命的に出会い、40年後には世を去っていく。それらを神楽坂の検番医の母深井寿美代と娘美野子が一部始終を目撃、ある時は当事者でもありました。本書は、初めて語られる昭和の花柳界で繰り広げられた、政治と男と女の興味津津の愛の物語と言えます。
目 次
プロローグ 宿縁か必然か |
著者プロフィール
深井美野子
(ふかい・みやこ)
1938年、東京・浅草に生まれる。LACC(ロスアンゼルス シティ カレッジ)に留学。帰国後、渋谷ジアン・ジアンで公演された「松岡計井子 日本語でビートルズをうたう」でビートルズの72曲の訳詞を担当する。LPレコード「ジョン・レノンの心」松岡計井子(歌)深井美野子(訳詞)も販売。戯曲の「サヨナラ サンセット」(吉行和子・橋爪功 共演)の脚本を手掛け、著書に『サヨナラ サンセット』(審美社)などがある。 先祖の深井吉兵衛はヒゲタ醬油の創業者。祖父と母は浅草で医院をやりながら、母は神楽坂の検番医を務めた。その関係から、幼いときから母に連れられて神楽坂に出入りしており、芸者の置屋の辻家の養女辻和子さんと辻家に若い頃から出入りしていた田中角栄氏とは親しい関係にあった。
担当より一言
神楽坂の田中角栄は目白、永田町の田中角栄と違うので驚くばかり。相思相愛の若き角栄氏と売れっ子芸者辻和子さんの40年間の栄光と苦難には感動するところが多い一冊です。