本書の内容
一流企業の倒産が物語る“失敗する社長の本質”!
- 企業倒産の原因は、経営者の怠慢にある。トップが経営の判断を一歩間違っただけで、それまでの業績が崩れ落ちていく。どんな企業も倒産のリスクと背中合わせにあるのだ。
日本一の百貨店チェーンを築き上げたそごうの水島廣雄。住宅業界に旋風を巻き起したミサワホームの三澤千代治。造船業界の救世主と崇められた佐世保重工業の坪内寿夫。海外企業との提携で大失敗する先駆けとなった安宅産業の安宅英一。セゾン文化を生み出したセゾングループの堤清二。液晶テレビで世界を席巻したシャープの町田勝彦。財テク商法のパイオニア・三光汽船の河本敏夫と岡庭博。世界の名画を買い漁った大昭和製紙の齊藤了英。世界シェア2位企業を破綻させたタカタの高田重久――。いずれも一世を風靡した「絶対潰れない会社」であったが、倒産、解体へと追い込まれた。一時代を築いた社長たちはどこで道を誤り、その結果、企業はどうして崩壊していったのか。巨大倒産9ケースが物語る“失敗する社長の本質”!
目 次
第1章 | タカタ――三代目が世界シェア2位企業を潰した |
第2章 | 大昭和製紙――会社を私物化した社長がやりたい放題 |
第3章 | 佐世保重工業――再建王が粉骨砕身したドロ沼労使紛争 |
第4章 | ミサワホーム――社長暴走でトヨタに乗っ取られる |
第5章 | そごう――日本一の百貨店王の栄光と没落 |
第6章 | 安宅産業――組織を腐蝕させた創業家の壟断 |
第7章 | セゾングループ――時代をつくり自壊した感性経営 |
第8章 | 三光汽船――大バクチに敗れた世界一のタンカー会社 |
第9章 | シャープ――エセ同族経営が招いた天国と地獄 |
著者プロフィール
有森隆
(ありもり・たかし)
経済ジャーナリスト。早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。
著書には『日銀エリートの「挫折と転落」--木村剛「天、我に味方せず」』(講談社)、『経営者を格付けする』(草思社)、『世襲企業の興亡』『海外大型M&A 大失敗の内幕』『社長解任 権力抗争の内幕』『社長引責 破綻からV字回復の内幕』『住友銀行暗黒史』(以上、さくら舎)、『実録アングラマネー』(講談社+α新書)、『ネット・バブル』『日本企業モラルハザード史』(以上、文春新書)、『創業家物語』(講談社+α文庫)、『強欲起業家』(静山社文庫)、『異端社長の流儀』(だいわ文庫)などがある。
担当より一言
80年代にあんなに輝いていたセゾン、2000年代に破竹の勢いだった液晶のシャープなど、当時は絶対安泰な会社と思われていたはずだ。世の中には「絶対」はないのだと改めて思う。