本書の内容
決定版!秀逸な構造と築城秘話の全て!
- 江戸城は、日本最高峰の技術とマンパワーが集結して築かれた日本一の城です。
現在皇居になっている西の丸や山里丸、皇居東御苑として一般開放されている本丸・二の丸・三の丸の一部、北の丸公園になっている北の丸や大手前などが「内郭」と呼ばれる中枢部にあたり、内郭の外側を「外郭」と呼ばれるエリアが囲みます。神田川が隅田川に注ぐ両国橋脇の柳橋あたりが外濠の東側で、そこから浅草橋、御茶ノ水、小石川、市ヶ谷、四谷、虎ノ門と続き、数寄屋橋、梶橋、常盤橋、雉子橋まで。東が隅田川、永代橋や両国橋の手前までが城域です。外郭の総延長は14キロメートルもあります。秀吉が築いた大阪城の総構は約7.8キロメートルとされますから、それを凌駕するとてつもない大きさだったのです。
本書では、巨大城郭・江戸城の秀逸な構造と築城秘話を紹介します。
徳川家康が豊臣秀吉の命で入った江戸は、ひどい荒地でした。しかし家康は、不毛の地・江戸を「理想の国家をゼロから構築できる新天地にしよう」と思考転換したのです。
江戸城を築くときに家康が見据えたのは、江戸幕府の盤石な体制づくり。そのため、強靭な軍事力のある城でありながら、政治・経済・商業の中心地となる国家の中枢として機能する城であり、徳川家の威厳と権威をこれでもかと見せつける存在感が求められました。
本書ではこのような築かれた時代背景、立地や地形、設計などの特徴はもちろん、城の変遷、天守や御殿の構造や装飾、石垣の積み方や石材の採石法、さらには江戸の町づくりや幕府のしくみまで、さまざまな視点から江戸城の全貌と魅力に迫っています。
実際の城歩きにも役立つ内郭及び外郭の見どころも紹介。大都市・東京に、江戸城の片鱗は今も力強く残っていることがわかります。
目 次
第1章 | 江戸城は日本一の城 |
第2章 | 江戸城築城の歴史 |
第3章 | 江戸城の天守 |
第4章 | 江戸城の御殿 |
第5章 | 江戸城の石垣 |
第6章 | 江戸城を歩く~内郭編 |
第7章 | 江戸城を歩く~外郭編 |
第8章 | 江戸城の秘密 |
著者プロフィール
萩原さちこ
(はぎわら・さちこ)
- 東京都足立区に生まれる。青山学院大学卒。城郭ライター、編集者。小学2年生のとき城に魅せられる。日本人の知恵・文化、美意識が詰まった日本の宝の虜になり、城めぐりがライフワークに。制作会社、広告代理店などを経て独立し、現在は執筆業を中心に、メディア・イベント出演・企画、講演、講座などを行っている。
主な著書に、『わくわく城めぐり』(山と溪谷社)、『戦国大名の城を読む』(SBクリエイティブ)、『日本100名城めぐりの旅』(学研プラス)、『お城へ行こう!』(岩波書店)、『今日から歩ける!超入門山城へGO!』(共著/学研プラス)、『図説・戦う城の科学』(SBクリエイティブ)、『旅好き女子の城萌えバイブル』(主婦の友社)『城めぐり手帖』(技術評論社)などがある。
城フェス実行委員長、公益財団法人日本城郭協会学術委員会学術委員。
*公式サイト「城メグリスト」
担当より一言
約260年にもおよぶ徳川幕府の国家の拠点として築城された江戸城。その見どころや歴史を余すことなく解説し、江戸城の知られざる魅力に迫った1冊です!