本書の内容
生き心地のいい自分の居場所のつくり方!
- 前作『農的な生活がおもしろい』から、さらに進化。衰退期に入った日本社会で、どうすれば自分の生活基盤を立て直すことができるか、居場所をつくることができるかを、各地に出向き、その生活の現場から探る――愛知県豊田市の里山プロジェクトのその後、千葉県柏市のコミュニティ・カフェ、北海道富良野市のふらのみらいぼ、長野県泰阜村の高齢者協同企業組合、長野県飯田市の地域人教育、東京都世田谷区のまちのお茶の間づくり、などなど。人びとが孤立しあい、「生きる力」の育成ができないような社会に未来はない。
円(カネ)よりも縁(つながり)が、一人ひとりが社会のフルメンバーとして生きる実感をもって、一歩でも前へ進む駆動力を発動させる。これからの日本社会のあり方を問う問題作!
目 次
はじめに | 見えない「つくる」をつくる |
第1章 | 下り坂社会のただなかで |
第2章 | 人とつながる、社会とつながる |
第3章 | 一人ひとりが社会のフルメンバーとして生きる |
第4章 | 小さな「社会」をたくさんつくる |
著者プロフィール
牧野篤
(まきの・あつし)
1960年、愛知県に生まれる。1988年、名古屋大学大学院教育学研究科博士課程を修了。名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授を経て、2008年より東京大学大学院教育学研究科教授。もともと中国近代教育思想ならびに社会教育・生涯学習が専門だが、それに加え、日本のまちづくりや高齢化・過疎化問題、多世代交流型コミュニティの構築などにも取り組んでいる。
著書には『生きることとしての学び』『認められたい欲望と過剰な自分語り』(以上、東京大学出版会)、『シニア世代の学びと社会』(勁草書房)、『農的な生活がおもしろい』(さくら舎)などがある。
担当より一言
格差、高齢化など、社会には問題が山積していますが、社会は着実に動いています。新たな芽吹きもあります。本書から、明日への胎動が聞こえてきます。高齢社会のとらえ方、教えられました。