本書の内容
日本を呪縛する空気に鋭くメスを入れる!
- 半藤一利氏に「あの人は教養人だった」と言わせた山本七平。半藤評は、「鷹の目」で日本を捉えなおす一方で、「蟻の目」で自分の中の日本に鋭く切り込んだ人。その質・量ともに備えた、圧倒的な「知」はどのように構築されたのか、その一端がこの本からうかがえます。およそどの読書ガイドにも入っていない稀書あり、古典的名著あり、また問題の書ありの山本七平セレクション。原著に立ち戻らなくても、本書だけで、日本人の政治倫理や精神史から、北朝鮮・中国・西欧・イスラムとの向きあい方まで、知的探究心に応えます。山本七平の読書遍歴もたのしめます。
目 次
第一章 | 人間を読む |
第二章 | 精神を読む |
第三章 | 世間を読む |
第四章 | 虚偽を読む |
第五章 | 異端を読む |
著者プロフィール
山本七平
(やまもと・しちへい)
1921年、東京都に生まれる。1942年、青山学院高等商業学部を卒業。野砲少尉としてマニラで戦い、捕虜となる。戦後、山本書店を創設し、聖書学関係の出版に携わる。1970年、イザヤ・ベンダサン名で出版した『日本人とユダヤ人』が300万部のベストセラーに。以後、「日本人論」で社会に大きな影響を与えてきた。その日本文化と社会を分析する独自の論考は「山本学」と称される。評論家。山本書店店主。1991年、逝去。著書には『私の中の日本軍』『「空気」の研究』(以上、文藝春秋)、『日本はなぜ敗れるのか』(角川書店)、『帝王学』(日本経済新聞社)、『日本人とは何か。』『昭和天皇の研究』(以上、祥伝社)、『なぜ日本は変われないのか』『日本人には何が欠けているのか』『日本教は日本を救えるか』『「知恵」の発見』『日本はなぜ外交で負けるのか』『戦争責任と靖国問題』(以上、さくら舎)などがある。
担当より一言
この本がさくら舎からの7冊目になります。知の薫り、切り口の鮮烈さは変わりませんが、本書では、本に秘めた私的な思いなども語られ、新鮮な驚きがありました。なにより、本のセレクションが圧巻で、なかには帯文を依頼されて書いた本も入っています。