本書の内容
気づかぬうちに、老いはじわじわやってくる!
- シングルライフを貫き、著者はいつのまにか「80歳のおひとりさま」となった。大学で教鞭をとり、サルトル研究者として、実存主義の徒として生きてきた“知の人”がある日突然直面した老い。既婚でも独身でも、最後はみな「おひとりさま」。知の達人がユーモラスに綴る「老いの苦笑い」!
目 次
プロローグ | 老いはどこにある |
第一章 | 老いは自覚できるか |
次を夢見る中高年/南の島に通う/野球少年に戻る/忍び寄る難聴… | |
第二章 | 自分に不機嫌 |
頑固指数アップ/「ふと魔がさす」こともある/驚くことが少なくなった… | |
第三章 | 下り坂の身体と付き合う |
何をするにも身体と相談/世界のことより自分のこと/女友だちか、恋愛か… | |
第四章 | なにがめでたいものか |
老いのスタイルさまざま/八十歳の相合い傘/「自己中」に生きる… | |
第五章 | 嫌うも自由、笑うも自由 |
一日一楽・一年一楽/ケチケチ生活/嫌なことはやらない自由… | |
エピローグ | おひとりさまのあした |
著者プロフィール
海老坂武
(えびさか・たけし)
1934年、東京都に生まれる。フランス文学者。東京大学文学部仏文科卒業、同大学院博士課程修了。1963年から2年間フランスに留学。一橋大学、関西学院大学教授を経て、現在は東京と芦屋、那覇、パリで執筆・翻訳と遊興の日々を送る。1986年、ひとり暮らしの生き方を世に問うた『シングル・ライフ』が大ベストセラーとなり、「独身者」にかわって「シングル」という言葉を定着させた。著書には『シングル・ライフ』(中公文庫)、『新・シングルライフ』(集英社新書)、『サルトル』『加藤周一』(岩波新書)、『人生を正しく享受するために』(朝日新書)、『戦後文学は生きている』(講談社現代新書)、『〈戦後〉が若かった頃』(岩波書店)など、訳書にはサルトル『家の馬鹿息子』(人文書院、共訳)、『自由への道〈全6巻〉』(岩波文庫、共訳)などがある。ボーヴォワール、ブルトンなど翻訳書も数多くある。
担当より一言
人生、いくつになっても初めての体験が待っている。新しい世界、新しい自分に出会える不思議さ、面白さ。老いの世界は面白い!!