本書の内容
日本という国が抱える二大問題に待望のメス!
- 深く刻まれた著者自身の戦争体験と、日本という国が避けて通れない戦争と敗戦の歴史。毎年毎年くり返される「靖国問題」と「戦争責任論」。いまなお答えの出ない大問題に、「山本学」はどう答えるか!映画「東京裁判」を観た山本七平が衝く、東京裁判最大の問題点とは? アメリカ的通俗終末論的なマッカーサー神学のあやしげな予言とは?戦争責任と靖国問題に新たな視点を投げかける!
目 次
第一章 | 日本人の戦争と敗戦 |
・靖国神社と戦犯合祀 | |
・日本人にとって太平洋戦争とは何であったか | |
・日本人の国家意識 | |
第二章 | 東京裁判で何が裁かれたのか |
・永遠に回答されなかった疑問 | |
・「文明の救世主」か「野蛮人の首狩り」か | |
・蜃気楼と消えた「マッカーサー神学」 | |
第三章 | 忘れられた戦争責任 |
・現人神と戦争責任 | |
・日本人は二度敗れた |
著者プロフィール
山本七平
(やまもと・しちへい)
1921年、東京都に生まれる。1942年、青山学院高等商業学部を卒業。野砲少尉としてマニラで戦い、捕虜となる。戦後、山本書店を創設し、聖書学関係の出版に携わる。1970年、イザヤ・ベンダサン名で出版した『日本人とユダヤ人』が300万部のベストセラーに。以後、「日本人論」で社会に大きな影響を与えてきた。その日本文化と社会を分析する独自の論考は「山本学」と称される。評論家。山本書店店主。1991年、逝去。著書には『私の中の日本軍』『「空気」の研究』(以上、文藝春秋)、『日本はなぜ敗れるのか』(角川書店)、『帝王学』(日本経済新聞社)、『日本人とは何か。』『昭和天皇の研究』(以上、祥伝社)、『なぜ日本は変われないのか』『日本人には何が欠けているのか』『日本教は日本を救えるか』『「知恵」の発見』『日本はなぜ外交で負けるのか』(以上、さくら舎)などがある。
担当より一言
この本がさくら舎からの6冊目になります。11月には「山本七平フェア」をやることになりました。フェアオビに、作家の半藤一利さんから次のような言葉をいただきました。
私が実際に会った人で「あの人は教養人だったな」というのは山本七平、丸谷才一、そして司馬遼太郎という面々です。山本七平さんは「鷹の目」で日本を捉えなおす一方で、「蟻の目」で自分の中の日本に鋭く切り込んだ人です。――半藤一利