
本書の内容
日本の外交力0(ゼロ)を明解に論証!
- 日米、日中、日露、日韓、いま日本はいずれの国との外交交渉も手詰まりになっている。何が日本を外交音痴にさせているのか!? どうすれば国の死活問題にもなってくる外交交渉をうまく進められるのか!?山本七平は30年以上前に、尖閣の問題も竹島の問題も、さらには捕鯨をめぐっての問題も、すでに予見して日本の外交を考察していた。本書は、歴史から掘り起こす日韓のもつれにもつれた誤解、江戸時代に中国をスルーして日本人の目が西欧に向けられたために未解決の沖縄問題、自由主義国アメリカが最後に見せる「別の顔」……などなど、これまで語られてこなかった側面から、日本の外交問題に新たな視線を投げかける。
目 次
第一章 | 国境と海境を忘れている |
・海面に引かれる「国境」 ・歴史的に潜在している中国反発感情 ・「領土」問題というアキレス腱 ・外交に対する日本人の錯覚 ・海上秩序の傘 |
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第二章 | 日韓双方の錯覚と妄想 |
・日韓問題はここから ・『看羊録』の日本 ・『両国壬申実記』が示す日韓の誤解 ・価値観の違いが引く国境線 |
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第三章 | 日米愛憎関係の深層 |
・「対米愛憎両端感情」の克服 ・「底流的反米感情」の実体 ・宗教支配下のアメリカ ・日本の対米戦略考 |
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第四章 | 戦争と外交と排外主義 |
・戦争の原因は何か ・「エンニウスの道」を歩け ・対外折衝と勧進帳方式 ・外国理解を阻むもの ・排他的日本人にならないために |
著者プロフィール
山本七平
(やまもと・しちへい)
1921年、東京都に生まれる。1942年、青山学院高等商業学部を卒業。野砲少尉としてマニラで戦い、捕虜となる。戦後、山本書店を創設し、聖書学関係の出版に携わる。1970年、イザヤ・ベンダサン名で出版した『日本人とユダヤ人』が300万部のベストセラーに。以後、「日本人論」で社会に大きな影響を与えてきた。その日本文化と社会を分析する独自の論考は「山本学」と称される。評論家。山本書店店主。1991年、逝去。著書には『私の中の日本軍』『「空気」の研究』(以上、文藝春秋)、『日本はなぜ敗れるのか』(角川書店)、『帝王学』(日本経済新聞社)、『日本人とは何か。』『昭和天皇の研究』(以上、祥伝社)、『なぜ日本は変われないのか』『日本人には何が欠けているのか』『日本教は日本を救えるか』『「知恵」の発見』(以上、さくら舎)などがある。
担当より一言
いまさらながら山本七平という人の「知」に圧倒されます。「世界中に日本人の考え方・行き方が通用するという錯覚」を持つ日本人にならないように!