
本書の内容
新幹線発展の陰に航空機の最先端技術あり!
-
今年(2014年)は新幹線誕生50周年の節目の年。計画段階のころ、「これからは自動車、航空機の時代。もはや鉄道は時代遅れ」と揶揄されたが、鉄道界は“新幹線”を完成させ、逆風を跳ね返し、大いなる発展を遂げた。新幹線誕生から時速320キロ突破まで、発展の陰には鉄道マンと航空技術者の協力があり、空気流体力学や遺伝的アルゴリズムなど最先端の航空機開発の技術があった。“新幹線の生みの親”島秀雄氏、成瀬功氏(JR東海)、藤井孝蔵氏(JAXA)ら関係者への取材で得た膨大な証言を基に、奇跡の躍進を描く渾身のノンフィクション。
目 次
序 章 | 飛行機への憧れ |
第一章 | 悲願 時速三〇〇キロの壁 |
第二章 | “新幹線をつくった男”の技術哲学 |
第三章 | 旅客機をイメージした0系新幹線 |
第四章 | 超流線形の新幹線登場 |
第五章 | コストパフォーマンスと先頭形状 |
第六章 | リニア車両の開発と飛行機屋 |
第七章 | デザイン重視の時代 |
終 章 | 新たな時代への挑戦 |
著者プロフィール
前間孝則
(まえま・たかのり)
ノンフィクション作家。1946年佐賀県生まれ。法政大学中退後、石川島播磨重工業の航空宇宙事業本部技術開発事業部でジェットエンジンの設計に20余年従事。1988年に同社退社後、日本の近現代の産業・技術・文化史の執筆に取り組む。
主な著書に『YS-11』『富嶽』『マン・マシンの昭和伝説』『戦艦大和誕生』(いずれも講談社)、『飛翔への挑戦』(新潮社)、『弾丸列車』(実業之日本社)、『日本のピアノ100年』『技術者たちの敗戦』『満州航空の全貌』(いずれも草思社)、『日本の名機をつくったサムライたち』(さくら舎)などがある。
担当より一言
新幹線という高速鉄道はいかにして誕生、発展してきたのか、そして今後どこへ向かっていくのか。多くの方の証言を基に綴られたこの本は、新幹線に関して、技術的側面だけでなく社会的側面からも迫っており、“骨太”のノンフィクションです。
読後、何気なく利用していた新幹線が少し違って見えてきます。そして先頭車両を思わずチェックしたくなります!