本書の内容
知識を捨てよ! 思考せよ!
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思考力だけが新たな創造を生む!
教養がある人は、いつも答えはひとつしかないと思っている。知識というのは、はじめからわかっていることだから、答えはひとつしかない。あるいは、それを知っているか知らないかのどちらかしかない。知っていれば、それで終わりである。
自分で考えるときには、はじめは答えがない。かならずしもひとつの答えに到達するとはかぎらない。途中で失敗することもある。何回も考えているうちに、何気なく答えにたどりつくこともある。迷いつつ考えて、わからなくなり、また考えて、最後に偶然に出た答えが、発見や発明につながったりすることも珍しくはない。
目 次
Ⅰ | 自分の頭で考える力――答えをいくつ出せるか |
知識から思考へ 無菌のマウス ごまかしの教養 「考える」を考える |
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Ⅱ | 頭を整理する力――思考しやすくするために |
頭の掃除 手の散歩、口の散歩 「借りる」をやめる 失敗という財産 |
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Ⅲ | 直観的思考力――マイナスだから強くなれる |
知識のジレンマ 箱入りこども マイナス経験 人間を成長させるもの |
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Ⅳ | 独創は反骨力――だれもやらないから、おもしろい |
三足のわらじ 不惑の惑い 独断と責任 我流は停滞知らず |
著者プロフィール
外山滋比古
(とやま・しげひこ)- 1923年、愛知県に生まれる。英文学者、評論家、エッセイスト。お茶の水女子大学名誉教授、文学博士。東京文理科大学英文科卒業後、雑誌「英語青年」編集、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授を歴任。専門の英文学をはじめ、言語論、教育論など広範囲にわたり独創的な仕事を続ける。
著書にはミリオンセラーとなった『思考の整理学』(ちくま文庫)をはじめ、『「マイナス」のプラス-反常識の人生論』(講談社)、『「人生二毛作」のすすめ』(飛鳥新社)、『失敗の効用』(みすず書房)、『考えるとはどういうことか』(集英社インターナショナル)、『日本語の作法』(新潮文庫)、『外山滋比古著作集』(全8巻、みすず書房)などがある。
担当より一言
「考える」とはどういうことか、外山先生がわかりやすく教えてくれます。最終章、外山先生の予想外にワイルドな生き方が書かれていて、これも面白くてカッコいいのです!