本書の内容
知力、体力よりも先にくる「感情の老化」!
- 「とくにファンでもない芸能人の訃報に泣けた」「部下や後輩の態度にすぐキレる」
――精神医学的にいうとこれは「感情失禁」状態といえます。ちょっとしたことで感情が漏れ出て、それを抑えられない状態です。なぜそうなってしまうのか。それは「感情の老化」、つまり感情をつかさどる前頭葉が萎縮してくることが原因です。
「感情の老化=“心の老化”」には、早いうちに手を打っておくことが肝心です。そこで本書で「老化のサイン」を早めにチェック! 物が捨てられなくなる、昼食はいつも同じ店、昔のベストセレクションCDを買う、同じ著者の本ばかり読む等々、さまざまな老化のサインに気づくだけでなく、なぜそうなるのかもわかりやすく説明してあります。“心のアンチエイジング”で前頭葉を若々しく保ちましょう。
目 次
第1章 | 感情は知力、体力よりも先に衰える |
キレやすく、いったん怒りだすとなかなかおさまらない もっとも早く老化する脳「前頭葉」 白黒をはっきりつけたい なにをしてもつまらない |
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第2章 | 感情の老化はあらゆる老化現象のもと |
涙もろくなり、感情のコントロールがきかない 議論するのがめんどうになった 人の話を聞いていられない 昔の話、子どもの話が多くなる |
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第3章 | こんな言動が老け込ませている! |
無理をせず、体力をセーブする 同じ著者の本ばかり読む 服はラクなのが一番いい 昔のベストセレクションCDを買う |
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第4章 | 心身のさびつきに気づくと人生はあざやかに |
愚痴っぽくなり、あきらめやすくなる 無駄な買い物はしなくなった なんでも否定してかかる 些細なことが気になって仕方がない |
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第5章 | 日本は〝前頭葉〟衰退社会!? |
最初の答えに飛びつく 旅行はいつもおまかせツアーで行く ペーパードライバーで運転はほとんどしない 昼食はいつも同じ店、同じメニュー |
著者プロフィール
和田秀樹
(わだ・ひでき)
1960年大阪市に生まれる。東京大学医学部卒。東京大学附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、国際医療福祉大学大学院教授、一橋大学経済学部非常勤講師、川崎幸病院精神科顧問。カウンセリングとアンチエイジングに特化した和田秀樹こころと体のクリニック院長。緑鐵受験指導ゼミナール監修。老年精神医学、精神分析学、集団精神療法学を専門とする。
著書には『「感情の整理」が上手い人 下手な人』(新講社)、『「あれこれ考えて動けない」をやめる9つの習慣』(大和書房)、『テレビの大罪』(新潮新書)、『「思考の老化」をどう防ぐか』(PHP新書)、『定年後の勉強法』(ちくま新書)などがある。
担当より一言
40代に入った頃、渥美清さん逝去のニュースを見て、べつに寅さんのファンでもないのに大泣きしたことがある。大人になって共感力が増したと思っていたが、あれは「感情失禁」だったのですねえ。「老化のサイン65事例」で自分・親・上司をチェックです!