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ビジネス・経済

世襲企業の興亡

同族会社は何代続くか

有森隆:著

定 価:1,400円+税

発売日:2012年6月5日

頁 数:248ページ

判 型:四六判/並製

ISBN:978-4-906732-11-1

本書の内容

時代をリードした世襲企業の栄光と転落!

  • 大王製紙、武富士、スズキ、ヤマハ、ワコール、林原、セイコー
    一時代を築いた世襲企業は、なぜ成功を手放したのか。
    世襲はなぜドロドロした継承になるのか!?
  • 世襲&同族企業は別名、ファミリー企業と呼ばれる。
    日本は中小企業が多いから、95%がファミリー企業だ。また、業歴100年を超えるファミリー企業は3万社と推測されている。
    米国では800社、欧州は全体で6000社といわれている。
    日本のファミリー企業は、なぜ長寿を保ってこられたのか。
    世襲で失敗した企業は、何を間違えたのか。
    カリスマ経営、息子への盲目的な愛情、経営陣の派閥抗争、骨肉の争い――絶頂を迎えた会社がつい陥る危険な罠。
    カネと欲望の方程式!!

目 次

1 大王製紙〔井川家〕――二代目〝中興の祖〟の独裁

  専制君主の父、お飾り社長の御曹司
 

井川一族が完全支配する〝大王製紙王国〟

 

創業家が子会社を〝実効支配〟する構造

2 武富士〔武井家〕――サラ金トップ企業の誕生と破滅

 

「サラ金の帝王」による史上最大の脱税工作

 

右翼とヤクザを使ってトラブル処理

 

過払い金請求から一族のカネを守るための倒産

3 スズキ〔鈴木家〕――婿養子経営の大成功と誤算

 

二代、三代、四代とつづく伝統の婿養子経営

 

スズキを飛躍させたインドの大成功

 

後継不在、VW交渉難航、本業不振の三重苦

4 ワコールホールディングス〔塚本家〕――初代に潰された二代目

 

カネとクスリのスキャンダルにまみれた子会社ピーチ・ジョン

 

「ノーブラ運動」の激震を乗り越え、破竹の快進撃

 

ボンボンが手玉にとられただけ、大失敗のM&A

5 ヤマハ〔川上家〕――非オーナー経営者三代の悲劇

 

社長になりたくなかった御曹司のハプニング辞任

 

暴虐人事で死屍累々、後継者キラーの〝圧政〟

 

ヤマハを追われた川上一族の行く末

6 林原〔林原家〕――超優良企業の隠された虚飾

 

現実とオカルトの両方を生きる奇人変人の四代目

 

〝夢の糖〟トレハロースの大成功でバイオ企業に変貌

 

27年にわたる粉飾決算が明らかに

7 セイコーホールディングス〔服部家〕――華麗なる一族の骨肉の争い

 

高級宝飾店「和光」の闇

 

頭痛の種の総裁をクーデターで追放したみずほCB

 

資本と経営の分離が脱・〝服部商店〟のカギ

著者プロフィール

有森隆

(ありもり・たかし)
経済ジャーナリスト。1969年早稲田大学文学部卒業。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。
著書には『日銀エリートの「挫折と転落」-木村剛「天、我に味方せず」』『オリックス「大風呂敷経営」の奈落』(以上、講談社)、『経営者を格付けする』『社長力』(以上、草思社)、『実録アングラマネー』(講談社+α新書)、『日本企業モラルハザード史』(文春新書)、『創業家物語』『銀行消滅(上・下)』(以上、講談社+α文庫)、『強欲起業家』『デフレ経営者』(以上、静山社文庫)、『経済情報の裏読み 先読み』(さくら舎)などがある。

担当より一言

世襲・同族経営にはマイナスのイメージが強いですが、長期にわたって強いリーダーシップを発揮できるなどのメリットもあります。
本書に出てくる7社はいずれも成功し、一時代を画した企業。成功をどのように引き継ぐのが正解だったのか、企業統治のあり方を考える一冊です。