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歴史・哲学・宗教

深夜の赤信号は渡ってもいいか?

いま使える哲学スキル

富増章成:著

定 価:1,400円+税

発売日:2012年3月6日

頁 数:232ページ

判 型:四六判/並製

ISBN:978-4-906732-06-7

本書の内容

哲人たちの思考スキルを学んで問題解決力UP!

  • 人っ子一人いない深夜の赤信号を前にしたとき、「渡ってしまおうか」「いや、渡らずに待つべきか」と一瞬ためらったことがある人は多いでしょう。なぜためらうのでしょうか。それを考えるとき、役に立つのが哲学です。
    哲学とは、生き方だけでなく、「何についても考えることができる思考の技術(スキル)」です。いわば思考の“万能ナイフ”で、とても便利なツールなのです。
    世の中何が正しくて、何が間違っているのか、どう判断したらいいのか、悩みは尽きません。
    でも、哲学を使えば、どんなときもウソはいけないか、わずらわしい人間関係をどうすればいいか、全体のため一部を犠牲にしていいかなど、身近な悩みから現代社会への疑問まで、さまざまな問題に応用して使えます。
    人間が過去2500年以上にわたって考え抜いてきたさまざまなものの見方・思考法を学ぶことで思考力、問題解決力もUPです!

目 次

第1章 深夜の赤信号は渡るべきか、待つべきか?

  この世界には哲学でしか考えられないことがある
  変わる世界、変わらない正しさ
  透明人間になれる指輪をゲット、あなたならどうする?

第2章 タバコを吸うべきか、やめるべきか?

  「快楽」と「禁欲」のあいだ
  快楽主義者は食べ放題をめざす?
  そのタバコは心の平穏に必要か?

第3章 運命は決まっているのか、自由はないのか?

  人間は自由に何でもなれる!
  「あなたは本当に自由ですか?」
  「自分の意志でカレーを選んだ」つもり

第4章 人は生まれつきか、育ちで変わるのか?

  誰でも生まれたときは白紙(タブラ・ラサ)
  経験論が生むトンデモ世界
  ドアを開けたら宇宙空間だった!?

第5章 どんなときもウソをついてはいけないか?

  世界が変わる「コペルニクス的転回」!
  「信頼されたいならウソをつくな」は非道徳
  殺人者に友人の隠れ場所をきかれたら……?

第6章 全体の幸福のため、一部は犠牲になるべきか?

  国家はすべてを支配する怪獣
  「最大多数の最大幸福」を生む快楽計算
  アニメのコスプレで暮らすのも自由!?

第7章 矛盾だらけの人生をどう生きればよいか?

  「本当の自分はこうじゃない」と言い訳すると弱くなる
  無意味な人生だからこそ、全肯定で生きる
  「車内の携帯電話」は本当にダメ?

第8章 わずらわしい人間関係をどう受け止めればよいか?

  人はみな他者から何かを奪い取って生きている
  他人の視線を感じるとなぜ緊張する?
  なぜ同じ自分でいることができないのか

第9章 ゴミの分別はきっちり守るべきか、適当でいいか?

  日常生活のビミョーな哲学問題
  「デスノート」を使うべきか、使わないべきか
  自由競争とは労働と消費のラット・レース

著者プロフィール

富増章成

(とます・あきなり)
1960年に生まれる。中央大学文学部哲学科を卒業後、上智大学神学部に学ぶ。駿台予備学校で倫理講師、大手予備校で日本史講師を担当。難解な哲学や歴史などをわかりやすく説明するために、授業や著作に専念している。
著書には『哲学の小径』(講談社)、『これならわかる! 哲学入門』(PHP研究所)、『オッサンになる人、ならない人』(PHP新書)、『空想哲学読本』(宝島社文庫)、『図解でわかる! ニーチェの考え方』(中経の文庫)、『哲学者の言葉 いま必要な60の知恵』(角川ソフィア文庫)などがある。

担当より一言

他人の視線を感じるとなぜ緊張するのでしょうか。サルトルは「対自存在」と「即自存在」という考え方で、その仕組みを説明しています。私たちは他者からまなざしを向けられることによって、モノ化してしまうのだとか。こんな「なるほど!」がいっぱいの本です!