本書の内容
哲人たちの思考スキルを学んで問題解決力UP!
- 人っ子一人いない深夜の赤信号を前にしたとき、「渡ってしまおうか」「いや、渡らずに待つべきか」と一瞬ためらったことがある人は多いでしょう。なぜためらうのでしょうか。それを考えるとき、役に立つのが哲学です。
哲学とは、生き方だけでなく、「何についても考えることができる思考の技術(スキル)」です。いわば思考の“万能ナイフ”で、とても便利なツールなのです。
世の中何が正しくて、何が間違っているのか、どう判断したらいいのか、悩みは尽きません。
でも、哲学を使えば、どんなときもウソはいけないか、わずらわしい人間関係をどうすればいいか、全体のため一部を犠牲にしていいかなど、身近な悩みから現代社会への疑問まで、さまざまな問題に応用して使えます。
人間が過去2500年以上にわたって考え抜いてきたさまざまなものの見方・思考法を学ぶことで思考力、問題解決力もUPです!
目 次
第1章 深夜の赤信号は渡るべきか、待つべきか?
この世界には哲学でしか考えられないことがある | |
変わる世界、変わらない正しさ | |
透明人間になれる指輪をゲット、あなたならどうする? |
第2章 タバコを吸うべきか、やめるべきか?
「快楽」と「禁欲」のあいだ | |
快楽主義者は食べ放題をめざす? | |
そのタバコは心の平穏に必要か? |
第3章 運命は決まっているのか、自由はないのか?
人間は自由に何でもなれる! | |
「あなたは本当に自由ですか?」 | |
「自分の意志でカレーを選んだ」つもり |
第4章 人は生まれつきか、育ちで変わるのか?
誰でも生まれたときは白紙(タブラ・ラサ) | |
経験論が生むトンデモ世界 | |
ドアを開けたら宇宙空間だった!? |
第5章 どんなときもウソをついてはいけないか?
世界が変わる「コペルニクス的転回」! | |
「信頼されたいならウソをつくな」は非道徳 | |
殺人者に友人の隠れ場所をきかれたら……? |
第6章 全体の幸福のため、一部は犠牲になるべきか?
国家はすべてを支配する怪獣 | |
「最大多数の最大幸福」を生む快楽計算 | |
アニメのコスプレで暮らすのも自由!? |
第7章 矛盾だらけの人生をどう生きればよいか?
「本当の自分はこうじゃない」と言い訳すると弱くなる | |
無意味な人生だからこそ、全肯定で生きる | |
「車内の携帯電話」は本当にダメ? |
第8章 わずらわしい人間関係をどう受け止めればよいか?
人はみな他者から何かを奪い取って生きている | |
他人の視線を感じるとなぜ緊張する? | |
なぜ同じ自分でいることができないのか |
第9章 ゴミの分別はきっちり守るべきか、適当でいいか?
日常生活のビミョーな哲学問題 | |
「デスノート」を使うべきか、使わないべきか | |
自由競争とは労働と消費のラット・レース |
著者プロフィール
富増章成
(とます・あきなり)
1960年に生まれる。中央大学文学部哲学科を卒業後、上智大学神学部に学ぶ。駿台予備学校で倫理講師、大手予備校で日本史講師を担当。難解な哲学や歴史などをわかりやすく説明するために、授業や著作に専念している。
著書には『哲学の小径』(講談社)、『これならわかる! 哲学入門』(PHP研究所)、『オッサンになる人、ならない人』(PHP新書)、『空想哲学読本』(宝島社文庫)、『図解でわかる! ニーチェの考え方』(中経の文庫)、『哲学者の言葉 いま必要な60の知恵』(角川ソフィア文庫)などがある。
担当より一言
他人の視線を感じるとなぜ緊張するのでしょうか。サルトルは「対自存在」と「即自存在」という考え方で、その仕組みを説明しています。私たちは他者からまなざしを向けられることによって、モノ化してしまうのだとか。こんな「なるほど!」がいっぱいの本です!