ねこもかぞく
著者紹介(解説):堀本裕樹 著者紹介(マンガ):ねこまき

今日の俳句

第57回

浪人の子に特別のお年玉

(ろうにんのこにとくべつのおとしだま)

大塚とめ子

第一志望を目指して浪人しているのか、それともどこも受からなかったのか、
それはこの句から想像するしかないが、
親の目線で我が子を詠(よ)んだことがわかる。
予備校にでも通いながら、受験勉強に勤しんでいるのだろう。
遊んでいる浪人生には、「特別なお年玉」をあげようという気持ちにはならない。
頑張っているからこそ、このお年玉で
さらに奮起(ふんき)してもらいたいと思っている親心がうかがえる。

心ある浪人生ならば、このお年玉は胸に沁(し)みるだろう。
浪人して親に迷惑をかけつつ、金銭を頂戴するのである。
親に対して悪いなあと思う。
でもアルバイトもしないで勉学している身にとっては
このお小遣いは非常にありがたい。

「年玉」を丁寧に言った語がお年玉で、年頭の贈り物のことをいう。
室町時代あたりから盛んに行われ、その頃は物品の贈り物だったようだ。
明治時代以後に金銭が用いられたという。
僕が子どもの頃は、親戚中を廻(まわ)って年玉を貰って集めるのが、
ゲームのようで楽しかった。