ねこもかぞく
著者紹介(解説):堀本裕樹 著者紹介(マンガ):ねこまき

今日の俳句

第41回

手花火の花の盛りを子に渡す

(てはなびのはなのさかりをこにわたす)

日暮ほうし

手持ち花火のことを俳句では「手花火」と少し省略した呼び方をして、
夏の季語になっている。
この句は家族で手花火をやっている一場面を切り取っているが、
「花の盛り」という表現に詩情がある。
手花火にもいろいろと種類があるけれど、
この句ではどんな色合いが浮かんでくるだろうか。
「花の盛り」というぐらいだから、
ほとんど盛りのない、おしとやかな線香花火ではないだろう。

たとえば、着火するとすぐに「シュー」という音を立てて、
芒(すすき)の穂のように勢いよく火花が出る「手持ちすすき」などが、
この句の花火に当てはまる。
花火に着火する瞬間を怖がったりする子は、
一番勢いのあるときの綺麗な手花火を
親から受け取って楽しむのだ。

さりげない親の優しさ、家族のささやかな幸せが描かれているけれど、
手花火を持つとやたら振り回したくなるのはなぜだろうか。