ねこもかぞく
著者紹介(解説):堀本裕樹 著者紹介(マンガ):ねこまき

今日の俳句

第27回

まゝごとの飯もおさいも土筆かな

(ままごとのめしもおさいもつくしかな)

星野立子

(ほしのたつこ)

春の季語である「土筆」が、にょきにょき生えているのを見つけると、
なんだか胸がときめくのはなぜだろう。
ああ、春だなと嬉しくなる。
ひょろ長いのやら、短いのやら、傾いているのやら、
1本1本に伸び方や表情があるようで眺めていると、
つい可愛くて笑顔になってしまうのだ。

この句は、ままごとに土筆を使っている。
ぼくには小さな女の子と男の子の姿が見えてきた。
お父さん役の男の子をリードしながら、
お母さん役の女の子は積極的に会話をしようとする。
ままごとに使うのは、2人で摘(つ)んできた土筆である。
飯には土筆の頭の部分をたくさんちぎって
オモチャのお茶碗に盛っているのだろうか。
「おさい」は漢字で書くと「御菜」。
菜を丁寧に言った表現で、おかずのことである。

「ねぇ、あなた、いっぱい食べてね。おかわりありますから」、
そんな女の子のちょっとませたセリフが
聞こえてきそうである。