ねこもかぞく
著者紹介(解説):堀本裕樹 著者紹介(マンガ):ねこまき

今日の俳句

第20回

子のつくる言葉あたらし牡丹雪

(このつくることばあたらしぼたんゆき)

上田日差子

(うえだひざし)

この句の作者のお子さんである現ちゃんが、
ある雨の日、車のワイパーが動いているのを見て、
「あれなあに」と問うたそうである。
母である作者は、名称を答えたものの、
どのように説明していいか考えていた。
すると、「あめのおそうじね」と現ちゃんが言ったそうで、
そこからヒントを得て生まれたのがこの句のようだ。

「あめのおそうじ」とは面白い発想である。
また、子どもにしか表現できない、
純真な柔らかさがこの言葉に宿っている。
まさにこの句にある「子のつくる言葉あたらし」であろう。

そして、「牡丹雪」が春の季語だ。
この牡丹雪という言葉にも純真な美しさが込められている。
雪の一片一片が大きく、
まるで牡丹の花びらのように降ることから、
「牡丹雪」と名付けられた。

空から牡丹雪がふわふわとたくさん降ってくる。
子どもの言葉も新鮮なものに触れると、
次々にたくさん溢れてくる。
牡丹雪が新しい言葉の断片のように見える。