ねこもかぞく
著者紹介(解説):堀本裕樹 著者紹介(マンガ):ねこまき

今日の俳句

第10回

捨猫の出てくる赤き毛布かな

(すてねこのでてくるあかきもうふかな)

津川絵里子

(つがわえりこ)

小学生の頃、段ボールに入った2匹の小さな捨猫を見つけたことがある。
友達のT君と一緒に見つけたのだが、
どちらも家で飼うことは許されず、
段ボールに入ったままの状態で、親に隠れて空き地で飼うことにした。

しばらくミルクやお菓子をせっせと仔猫のもとに持っていって
与えていたのだけれど、いつの間にかいなくなっていた。
あの仔猫たちはいったいどこに行ってしまったのだろう。
逃げ出したのか、誰かに拾われていったのか。
仔猫がいなくなってから、しばらくのあいだは
「みゃあみゃあ」鳴いていた声や姿が目にすぐ浮かんできて、
T君と2人で「どこへ行ったんやろなあ」と涙ぐんだものである。

この句は「赤き毛布」のなかから捨猫が出てきたのだが、
その後のことが気になる。
無事に優しい人に飼われたならばいいのだけれど。
ちなみに「毛布」が冬の季語である。
暖色の「赤き毛布」なだけに、この後熱い愛情に恵まれる予感もある。