本書の内容
忘れた分だけ、思考が深まる!
- 人は「忘れること」を嫌う。長年、「忘れてはいけない」と記憶型の教育を受けてきた影響で、無意識のうちに、「記憶はいいこと、忘却は悪いこと」という色分けをしている。
しかし、長年思考を考えてきた著者は、それに真っ向から反対する。記憶と忘却は敵対関係にあるのではなく、協調関係にある。忘却によって頭の中の雑多な知識・情報を整理・処分し、そこへ記憶によって新たな知識・情報を入れる、という互いに連動する関係である。それができて初めて「思考力」が生まれるのだ。
「頭をよくしたかったら、うまく忘却をはたらかせるべきだ」という、これまでの常識を覆す、コペルニクス的転回の一冊!
目 次
Ⅰ | 忘れることは頭のゴミ出し |
Ⅱ | 忘却は英知の純化 |
Ⅲ | 頭を知識の倉庫から思考の工場へ |
Ⅳ | 新たな思考が生まれる |
Ⅴ | よく覚え、よく忘れる |
著者プロフィール
外山滋比古
(とやま・しげひこ)- 1923年、愛知県に生まれる。英文学者、評論家、エッセイスト。お茶の水女子大学名誉教授、文学博士。
東京文理科大学英文科卒業後、雑誌「英語青年」編集、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授を歴任。専門の英文学をはじめ、言語論、教育論など広範囲にわたり独創的な仕事を続ける。
著書にはミリオンセラーとなった『思考の整理学』(ちくま文庫)をはじめ、『「マイナス」のプラス-反常識の人生論』(講談社)、『思考力』『思考力の方法』(以上、さくら舎)、『乱読のセレンディピティ』(扶桑社)、『老いの整理学』(扶桑社新書)、『知的生活習慣』(ちくま新書)、『50代から始める知的生活術』(だいわ文庫)、『外山滋比古著作集』(全8巻、みすず書房)などがある。
担当より一言
「忘れることは悪」と長年思ってきましたが、本書を読んで軌道修正です。「人間の知的活動は忘れることがあってこそ」忘れることで新たな知に出会えるのです!